幹事クリタのコーカイ日誌2015

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3月17日 ● 成長を証明した錦織。

 いまアメリカのインディアンウェルズで行われているテニスの「BNPパリバオープン」。今年初めてのマスターズ1000大会ということで注目を集めています。と言うのはちょっと嘘で、これまでもコアなテニス好きはこの大会と翌週の同じくマスターズ1000であるマイアミとの連戦をセットで注目してきたのですが、ほとんどの日本人は錦織が出ているからちょっと気にしているに過ぎません。

 まあそんな「にわかファン」に対する意地悪はあまり言うものではないのですが、とにかくインディアンウェルズは錦織にとってこれまで鬼門でして、昨年も3回戦どまり。ハードコートの割に球足が遅く、しかも跳ねるというクレーに近い特性のコートで、錦織にしたらタイミングが合いづらい相性の悪いコート。かなり苦手意識も持っているようです。

 そして今日の3回戦で対戦したスペインのフェルナンド・ベルダスコがまた苦手な相手で、スペイン選手らしい左利きの強烈なトップスピンはたださえコートへの相性が良い上に、錦織の得意な速い打ち合いの展開に入らせてくれません。2011年の全豪での初対戦では完璧にやられてしまい、翌年のバルセロナでも途中棄権と2連敗。苦手なコートで苦手な相手という本当に錦織にしたら正念場でした。

 しかし今の錦織はかつての錦織ではありませんでした。第1セットこそタイブレで落としましたが、2セット目からは完全にペースを掴んで一気に逆転勝ちしてしまいました。これまでの鬱憤を晴らすかのような勝利に錦織自身も「今日の勝利は素直にうれしい」と答えています。

 世界ランキング5位の錦織が今さら4回戦に進んだくらいで喜ぶのを不思議に思う人もいるでしょうが、それは4年前の全豪で全く歯が立たなかった相手に対して、苦手なコートでしっかり勝つことができた自分の成長を喜んでいるのでしょう。2011年の全豪当時、錦織は82位でベルダスコは9位。今は錦織5位でベルダスコ31位。ベルダスコのランキングが下がったとは言え、まだシード選手なのですから、やはり錦織が大きく成長したということでしょう。

 錦織と自分を並べるのもおこがましいですが、僕もかつて歯が立たなかった相手に5年後には勝てるようになった時に、本当に自分の成長を素直に喜べました。努力して成長して結果が出るというのは向上心を持って臨んでいる時には本当に嬉しいものです。

 錦織は昨年3回戦どまりだったこの大会で勝ち上がればランキングもまた上がります。翌週のマイアミでは昨年ベスト4まで進んでいますから、稼ぐならこのインディアンウェルズです。さらなる躍進を期待したいです。


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