幹事クリタのコーカイ日誌2014

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4月29日 ● 錦織優勝、グランドスラムへ。

 スペインで行われていたATP500のバルセロナ・オープン決勝で、第4シードの錦織圭が優勝しました。相手はノーシードのサンティアゴ・ヒラルド。スコアは6−2、6−2と全く寄せ付けず圧勝でした。これで錦織のツアー優勝は今年2月のメンフィスでの全米室内選手権以来、今季2勝目、通算5勝目。そしてクレーコートでは初めての優勝です。まさかクレーで日本男子がツアー優勝をする日が来るとは思いませんでした。錦織もハードコートが得意でクレーはもっとも苦手としているだけに、本当にこの優勝はすごいことだと思います。

 今大会は錦織にとってかなりラッキーな面もありました。第2シードのフェレールが初戦敗退、絶対的優勝候補の第1シードのナダルも準々決勝で第6シードのアルマグロに負け、その強敵アルマグロもヒラルドに負けてしまいました。決勝の相手のヒラルドは、2回戦で第3シードのファビオ・フォニーニも破ってくれていますし、錦織は上位シードと戦わずに優勝したことになります。もちろん、そういう運を引き寄せることもトップにいくには大事だし、そのチャンスにきちんと結果を出したのですから大したものです。

 錦織は3月にマイアミで開かれたマスターズ1000のソニー・オープンでフェデラーを破って準決勝に進出しましたが、左股関節痛で準決勝を棄権。その後はデ杯チェコ戦も欠場し、これが復帰戦でした。全仏の前哨戦、苦手のクレーだし、スペイン勢が地元で圧倒的強さを誇る大会です。第4シードを守ってベスト4まで勝ち上がれれば十分かなと思っていましたが、まさかまさかの優勝。これでランキングも一気に12位までジャンプアップしました。自己最高位の11位突破はおろか、念願のトップ10入りも十分に射程に入ってきました。

 いまかつての4強も全体に調子が上がりません。トップ2のナダルもジョコビッチも怪我が多く安定感がないし、フェデラーは好調を維持しているとは言え全盛期の強さを望むには厳しい年齢。マレーは相変わらず低迷しています。かと言って、代わりに誰かすごい若手が出てきているわけでもなく、中堅のバブリンカが目立つくらいです。この混沌とした状況は今季に入って絶好調の錦織にとって飛躍する大チャンス。ここらでぜひグランドスラムのタイトルを取ってほしいところです。

 先月好調のフェデラーに勝ったように、いまの錦織なら一発勝負なら4強とも互角に戦えます。あとはグランドスラムの2週間の長丁場を通して体調を維持していくノウハウと、5セットマッチを怪我なく戦い抜く体の強さを身につけられるかどうか。マイケル・チャンをコーチにつけたことで、そのあたりも当然視野に入れてやっていることでしょうから、これから続く全仏、ウィンブルドン、全米のどこかでチャンスが巡ってくるのではないかと大いに期待したいと思います。


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