プロ野球のＣＳでセ・リーグは広島、パ・リーグはロッテと、ともに３位のチームが２位のチームに勝ちました。それぞれリーグ優勝の巨人、楽天と日本シリーズ進出をかけて戦うことになります。僕はこのシーズン３位のチームが日本一になれる制度はおかしいと以前から思っているので、今回はその矛盾を露わにするためにも広島とロッテを応援しています。

　もっとも以前に３位ロッテが日本一になった時もマスコミは単に「下克上」と囃し立てただけで、きちんとした批判もしなかったので、今回仮にシーズンで負け越している広島が日本一になってもきっと同じように「史上最大の下克上」などと言って持てはやすだけかも知れませんが。

　ただそういうことは抜きにしても、心情的に広島は応援したいチームです。今回初めてＣＳに進出したということ、そして中日ファンとしては同じ地方球団で、日頃から東京のマスコミに相手にされず、単に巨人の敵役という役割を与えられがちであるという点でも贔屓したくなります。

　さらには広島は地域密着型のチームとして、以前から地元出身の選手を獲得して育成してきている点も好感が持てます。中日も昔から東海地方の選手をなるべく獲得しようとはしていますが、広島ほど徹底していないことは、大昔なら金田や杉浦忠、ちょっと前ならイチローや工藤、最近なら今年の新人王間違いなしのヤクルト小川などを取り逃していることからも明らかです。

　広島が巨人相手に４勝するのはかなり大変でしょう。１勝のアドバンテージが巨人にありますから、前田健太が獅子奮迅の働きで仮に３勝を上げたとしてもまだ足りません。それでもシーズン終盤とこの阪神戦での広島の勢いを考えたら、もしかしたらシーズン後半からのんびりしていた巨人の調子が出る前に一気に決められるかも知れません。がっぷり四つに組んだら総合力に優る巨人が優位でも、立ち合いの突進で一気に押し出せば広島にも勝機が見えると思います。

　それに広島と楽天の日本シリーズになれば、マエケンとマーくんのエース対決が見られるのです。それもまた大きな楽しみのひとつです。