幹事クリタのコーカイ日誌2013

[ 前日翌日最新今月 ]


 
6月15日 ● なぜAの次がHなのか。

 サックスを習い始めて3年11ヶ月、ピアノは1年9ヶ月経ちました。少しずつ上達はしていますが、歩みは亀のごとしです。やはり子どもの頃から楽器に慣れ親しんでいる人間と、「五十の手習い」では全然上達速度が違いますが、まあ楽しくやっているので自分としては満足しています。

 僕の場合、音楽的な知識は中学校の音楽の教科書レベルで終わっています。中学の音楽の授業で習った程度のことなら40年近く経った今でも覚えていますが、それ以上はさっぱりわかりません。なので先生たちと話していて、彼らが当然のこととして知っている知識でも僕には初耳ということがたくさんあります。昨日ピアノの先生と議論になったのは「音名」のことでした。

 音名とは「ドレミファソラシ」のことですが、これはイタリア語。日本語では「ハニホヘトイロ」です。ここまでは授業で習いました。「ハ長調」が一般的な音階で、フラットがついたりシャープがついたりして「ヘ長調」やら「変ホ短調」やらになるというのは、当時意味がよくわかりませんでしたが、そういうものだと思って覚えました。

 サックスを習い始めたら先生は「C(シー)」だの「B(ビー)」だの言います。英語の音名は「CDEFGAB」です。「ハ長調」のスケールが「C」です。そしてピアノを習い始めたら先生は「ドイツ語でおぼえましょう」と言います。ジャズやポップスは英語ですが、クラシックはドイツ語が基本だからだそうです。「C(ツェー)」や「B(ベー)」になりました。

 まあここまでは問題ありません。その国の言語でドレミを言い換えているだけですから。昨日議論になったのは、このドイツ語の音名の「シ」が「H(ハー)」なのは変じゃないの?と言うことです。英語なら素直に「B(ビー)」です。ところがドイツ語の「B(ベー)」は「シのフラット」(英語なら「Bフラット」)のことで、BがHになる理屈がわかりません。ドイツ語では「A」→「H」→「C」と音が上がっていくのです。

 これって変だよね?とピアノの先生たちに聞いたら、彼女たちは「変ですよね、HのフラットがBなんて。フラットがつく時はEがEsになるように変化するからHのフラットはHsのはずなのに」なんて言っているのです。いやいや、違うって、そこじゃなくて、AとCの間にHがくることが変なの、HのフラットがBになることが変なんじゃなくて、と言ってもすぐにはピンとこないようです。

 子どもの頃からAHCと覚えてしまっているから、Hであること自体にはもう馴染み過ぎておかしいとは思わないみたいです。彼女たちにしてみれば「言われてみれば変かな?今までそんなこと考えてもみなかった」そうです。なので、結局なぜ「シ」がBではなくHなのか、そしてなぜHのフラットがBなのか、その理由はわからずじまいで話は終わってしまいました。別にそんなこと知らなくても演奏には何の影響もないんですけど、なにせこちらは「五十の手習い」の人なので、子どもと違っていろいろ気になってしまうんですよねぇ。

 ちなみに「A」がキスで、「C」が…みたいな我々世代の古い隠語は、若くてかつ真面目な彼女たちにはしていません。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」