幹事クリタのコーカイ日誌2013

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6月4日 ● 錦織、ナダルに完敗。

 錦織は果敢にナダルに挑みましたが、残念ながら完敗でした。もちろん負けるだろうということは容易に予想できましたが、ここまでまだ差があるのかというのはショックであり、ナダルという壁の高さは想像を絶するものがあります。

 第1セットは錦織も悪くありませんでした。早めに勝負に出て厳しいショットを狙っていきました。ナダルを追い込んでミスを誘う場面もありましたし、錦織のエースもかなりありました。しかしブレイクポイント確実に取ったナダルと、チャンスを逃した錦織の差が出てワンブレイクで落としました。

 差がついたのはここからです。どれだけ打っても、どれほど攻めても全て守り通す最強の盾、ナダルらしいテニスが第2セット以降に炸裂、ミスを続ける錦織の闘志に陰りが出ました。ナダルのショットが深く高く跳ね続け、それを懸命に返し続けるも結局押し切られてしまいます。3つのブレイクを許しあっさりセットを奪われてしまいます。

 第3セットに入り、錦織はさらにリスクを負って果敢に攻めますが、ナダルの守備はますます完璧になっていきます。ナダルはこの先の試合を見越して自分のショットを試すようなプレーも見せ始めました。まだまだ錦織はナダルの首元に食い付くことは敵わず、足元で吠えている子犬に過ぎないのを改めて実感させられた一戦となりました。

 体力、技術、メンタル、戦略、クレーコートへの対応、全てにおいてナダルが上回っていました。ナダルでなければ決まるショットもナダルは拾うし、ナダルでなければチャンスになるボールもナダルはより攻撃的なショットで切り返してきます。このナダルとクレーで互角に戦えるのはジョコビッチと、絶好調時のフェデラーくらい。全仏でナダルに勝つのはつくづく至難です。

 ただこれが球足の速い芝や、錦織が戦い慣れているハードコートだったらどうなるかはわかりません。ナダルの守備力を上回ることも錦織の攻撃力なら可能だと思います。完敗ではありましたが、錦織の持つポテンシャルの高さもまた感じさせることができた試合ではありました。全豪に続き苦手な全仏でもベスト16ということで、いよいよ錦織も世界のトップ選手らしくなってきました。ウィンブルドンに期待です。



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