幹事クリタのコーカイ日誌2012

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12月29日 ● 松井秀喜の引退。

 松井秀喜が引退を発表しました。そろそろメジャーでは潮時だろうなと誰もが感じていたところですが、日本に戻ればまだできると言う声は少なくないようです。ただ本人はファンの期待に応えられないと思うから辞めると言うのですから、本当に真面目な人なんだなと思います。多くの好意的コメントを読んでいると、引退するから単なるお世辞を言っているのではなく、本当に松井の人間性を高く評価している人が多いんだろうと感じます。

 実際、スポーツ選手のインタビューで松井ほど誠実に対応する選手はいません。少なくともあれほどの大スターでは。辛うじて石川遼くらいでしょうが、松井は石川よりはるかに年上でキャリアもあるのに、メディアやファンに対して実に丁寧で誠実です。彼について意地の悪い報道というのは僕はほとんど見かけたことはありません。

 松井と言えば思いだされるのは高校時代の甲子園5打席連続敬遠ですが、あの時でも実に淡々と打席に立ち、潔く1塁に歩いていました。高校生の松井があれほど大人の態度を保ったからこそ、より敬遠した明徳側がひどいバッシングを受けてしまうわけですが、思えばあれ以来ずっと松井の態度は一貫して大人です。

 阪神ファンでありながら巨人に指名されても恬淡とした態度で巨人に進み、黙々と練習に励んで不動の4番に育ちました。メジャーに渡っても相変わらずコツコツと地道に活躍をしました。残念ながらイチローのような「絵になる」派手な活躍は少なかったですが、それでもワールドシリーズのMVPを獲得するなど、日本人野手としてはイチローに次ぐ実績を残しています。

 プロ野球ファンとして妄想するのは、日米通算507本の本塁打を放った松井が、もしあのまま巨人に残って日本のプロ野球でプレーを続けたら通算本塁打はどこまで伸ばせたのかということ。歴代3位の門田の567本は当然超えたとして、恐らく野村の657本も上回ったことでしょう。王の868本に一番迫ることができそうな打者だっただけに、メジャー挑戦が痛し痒しという気がしてしまいます。

 メジャーで大怪我をして選手寿命を縮めてしまった松井。残念ですがそれもまた彼の野球人生だったのですから仕方ありません。今後は日米の野球を良く知る解説者、そして指導者としての活躍を期待したいと思います。



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