幹事クリタのコーカイ日誌2012

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9月26日 ● いよいよ平家がおごるのか。

 いよいよ盛り上がっている大河ドラマ『平清盛』。こんな面白い大河ドラマは久しぶりです。低視聴率とかで話題になっていますが、見ていない人は本当にもったいないなぁと思いますよ。出てくる登場人物がみんなキャラが立っていて、善悪どちらとも言えないのが深みがあって良いし、伝承部分と史実をうまくいったりきたりする辺りも歴史ドラマとはこう作れ、というお手本のごとし。昨年のお笑い大河『江』を作った同じNHKとは思えません。

 先日の「殿下乗合事件」もまさにこのキャラの深みと、伝承と史実の良いとこどりを見事に融合した回でした。『平家物語』では徹底して清盛を悪人に描くために、対比として息子の重盛を善人に描いています。その最たるものがこの殿下乗合事件。摂政基房の輿と重盛嫡男の資盛の輿が鉢合わせした時に起きたこの事件、平家物語では摂政に報復したのは清盛だということになっていますが、史実では重盛が報復し清盛は摂政との関係修復に動いたそうです。

 平家物語はこの事件を「平家の悪行の始まり」であり、ここから「おごる平家」となって平家没落のストーリーが始まるという位置づけにしている重要な事件ですが、さて大河ドラマではどちらの説をとるのかと思ったら、基本は平家物語にならって重盛は何もせず清盛が動いたことにしていますが、主犯は時忠にして清盛は黒幕という位置づけにしました。なかなかうまい手です。これにより清盛の清濁併せのむ「もののけの子」としての器量の大きさを示し、平家のCIA時忠のキャラ設定もくっきりして次回の「平家にあらずんば人にあらず」の名セリフにつながりますし、重盛及びその子らの先行きの不幸も暗示しています。

 それにしても森田剛。登場当初は「なんだこのヤンキー芝居は」と驚いたものですが、ここまで汚れキャラに徹しきるとは予想していませんでした。ジャニーズだよね?ね?よく事務所も割り切ったよなぁ。最近は見慣れてしまったせいか、フカキョンのカジュアルさもあまり気にならなくなってきました。それよりは成海璃子の滋子の方が癇に障ります。あと北条時政の遠藤憲一が良いですね。相変わらず存在感があるし巧い。人の良い田舎オヤジの顔をしていますが、晩節を汚した時政のことを思うと、エンケンの悪人顔がまたはまっていると思ったり。まあそこまで今回は描かないだろうけど。



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