幹事クリタのコーカイ日誌2012

[ 前日翌日最新今月 ]


 
9月15日 ● 人は誉められたくて伸びる。

 僕はいまテニスとサックスとピアノを習っています。テニス歴33年、サックス歴3年、ピアノ歴1年ですから、当然のごとく下手くそなピアノの伸びが一番大きく、進化の度合いがはっきりわかります。当然練習にも熱が入ります。まあ伸びは微少でもテニスも夢中でやってはいますけど。

 ピアノのMちゃん先生はとても熱心に教えてくれます。熱心なので甘くはありません。教える側に立つとわかるのですが、一生懸命に教えるほど、生徒にも期待するので厳しくなりがち。Mちゃん先生は23才でピアノの先生としてのキャリアがまだ1年半と浅いので、どうしても前へ前へと突っ込んでいきます。僕が頑張って練習してできるようになって「どうだぁ」と胸を張ると、「はい、じゃあ次いきましょう」とサラッと流されてしまいます。いやいや、そこは少し誉めて良い気分にさせてよ、と何度も思いました。

 もう1年経つので、さすがにこのパターンにも慣れました。本来僕は努力よりも結果を見てもらいたいタイプなんですが、ここまで誉めてもらえないなら、誉めてもらえるように工夫をしなくてはなりません。もちろんちゃんと練習して弾けるようになることが前提ですが、ただいつものように頑張っていない顔してサラッとやってしまうと「はい、できますね。じゃあ次」となってしまいます。そうじゃなくて、頑張って頑張って失敗して「ダメだ、全然できない、悔しいなぁ」などと呟き落ち込むと「大丈夫ですよ、もう少しです。頑張りましょう」と励ましてもらえるのです。

 挙げ句にようやく何とかできるようになると「よく頑張りましたね」と誉めてもらえます。そこですかさず「進歩が遅くて情けないです」と言えば「ちゃんと上達していますから」とさらに誉めてもらえるのです。Mちゃん先生はとても育ちの良い素直なお嬢さんなので、こちらが打ったサーブをきちんと素直にリターンしてくれます。ちょっと無理矢理誉めさせている感はなきにしもあらずですが、やっぱり努力したら認めてもらわないとモチベーションが上がりません。

 よく若い子が「誉められると伸びるタイプなんで」とか甘えたことを言いますが、それは違います。安易に誉められたら図に乗るだけで成長しません。そうじゃなくて人は「誉められたくて伸びる」んです。努力も苦労もしていない人間を誉めてはいけません。何でもかんでも誉めるのではなくて、誉められようと頑張った人間を見逃さずに誉めると嬉しくてさらに頑張るから伸びるのです。僕も何とか誉めて欲しいからピアノの練習も頑張っています。そういう意味では、なかなか誉めないMちゃん先生は、僕向きの良い先生だと思っています。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」