ロンドン五輪日本選手団団長の上村春樹が、前半戦を「柔道以外順調」と評したそうです。上村は柔道家ですから身内に厳しくなるのは当然なのですが、確かに大きく目論見が狂ったのは柔道、それ以外の競技は健闘というのが妥当な判断でしょう。

　競泳は「北島以外順調」だったと思いますし、体操も「種目別以外順調」でしょう。メダルを獲得した重量挙げ、アーチェリー、フェンシング、バドミントンも好成績でした。卓球も途中ですが女子は期待以上の活躍ですし、サッカーは女子は予定通り、男子はすでに予想以上。男女とも準決勝がともに待ち遠しいです。

　ただ始まったばかりの陸上はあまり順調とは言えません。室伏は予選を軽く突破しましたが大きな期待は難しいですし、女子マラソンは完全に力不足でした。メダル獲得に関して言えば、これから大きな期待ができるのは女子レスリングくらいでしょう。銀と銅は頑張ってたくさん獲得できましたが、金メダルは柔道の不振もあって２個にとどまっています。大会前はアテネの１６個は無理でも１０個くらいはいけるのでは、という予想もありましたが、このままではあと２〜３個の上乗せがせいぜいでしょう。

　ただオリンピックはメダル獲得競争だけではありません。日本を応援するだけではなく、国を超えて素晴らしいアスリートのパフォーマンスを楽しむものですし、敗者には敗者なりのドラマがあって、それに思い入れを注ぐのも楽しみ方のひとつです。

　また４年後の姿を想像しながら選手たちの戦いを見守るのも楽しみ。若い選手、経験の浅い選手は、今回たとえ負けてもそれを糧として次回、またその次で大活躍をするかも知れません。そうした若い選手に今から目をつけておいて４年間の成長を見守るのも楽しいものです。

　日本選手なら体操の寺本、競泳の荻野、卓球の石川ら今回注目を集めた選手はもちろん、敗れ去っても次の五輪に期待をかけたい選手もいます。個人的にはボートの榊原春奈。今回シングルスカルで２３位と完敗でしたが、まだ高校を出たばかりの１８才。次回のリオ五輪でどこまでジャンプアップできるか楽しみです。ちなみに榊原の出た高校は僕の母校です。だから余計に頑張って欲しいです。