幹事クリタのコーカイ日誌2012

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5月26日 ● 河本準一の生活保護問題。

 芸人の河本準一の母親や親族が生活保護を受給していることが問題とされ、河本は記者会見を開いて生活保護費を一部返済すると語ったそうです。これは微妙な問題です。河本個人のモラル的な問題と、生活保護という制度の問題を混在させてしまいがちな上に、親を扶養するかどうかという家族関係の問題についてまで踏み込んでいるからです。

 週刊誌で報道されているように、母親・姉・叔母2人が17万×4人で月々68万を12年間、総額9800円近くを受給していたとなると、これは確かに大きな金額です。しかも生活保護を受給するために全員が隣同士で別々の家に住んでいたとか。母親をネタにして稼いでいる河本がこれでは「シャレにならない」のは確かです。芸能人としては相当なイメージダウンです。

 ただ生活保護という制度は不正受給よりも受給漏れの方がずっと多いそうですし、単に生活保護費を削減するために、タレントで知名度が高い河本を生贄にして叩いているんだとしたら、ますます本来なら受給できるはずの人たちが受けにくくなることは間違いありません。生活保護を受けるべき人は「生活保護を受けたら世間から後ろ指を指される」と思って尻込みをしてしまいそうですし、こんなネガティブキャンペーンなど何とも思わずに「貰えるものは貰っておかなければ損」という人たちは、これくらいでは全然へこたれないと思います。

 また親を扶養するべきかどうかというのも人それぞれでしょう。これは個人の考え方次第ですし、子どもが経済的に余裕があっても頼りたくない、もしくは頼れない親だってたくさんいるでしょう。親子関係は一概には決めつけられません。親子と言えども財布はあくまでも別という人たちに対して、生活保護という退路を断つようなことはすべきではないと思います。

 片山さつき議員においては、二流タレントを叩いて得意顔をしているのではなく、生活保護を給付する役人たちの尻をもっと叩いて、今のいかにも不公平感の高い状況を改め、貰うべき人と貰うべきではない人をきちんと峻別できるような公平なシステム作りに励んでもらいたいと思います。じゃないとセレブで裕福な議員さまが、貧乏から叩き上げてきた芸人をいじめているようないやらしさしか感じないので。



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