幹事クリタのコーカイ日誌2012

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5月21日 ● 6年振りの日本国籍力士の優勝。

 旭天鵬の優勝で幕を閉じた大相撲夏場所。いろいろと予想外のことが多くて突っ込みどころ満載の「記録的」な場所となりました。

 まず37才8ヶ月で昭和以降の最高齢優勝となった旭天鵬には素直に称賛の拍手を送りたいと思います。土俵生活20年の大ベテランでモンゴル力士の先駆け。彼が頑張ってきたからこそ朝青龍や白鵬という大横綱が生まれたわけで、これまで目立たず地味に相撲人生を過ごしてきた力士が、通算800勝の記録達成だけでも素晴らしかったのに、最後に大きな花を咲かせたのはまるでドラマのようです。

 この優勝の陰の立役者たちが7人もいながら1人も優勝決定戦にすら進めなかった横綱大関陣。現行制度になって初めての平幕同士の優勝決定戦が、初めての6大関場所に実現するとは何とも皮肉なことです。特に一時期は優勝確実かと思われた稀勢の里が終盤チキンぶりを遺憾なく発揮したのは本当に情けないことでした。

 白鵬の衰えも目立ちました。一昨年の双葉山を超えようかという強さ、安定感はどこへやら。動きに切れがなく勝負への執念も感じられません。年齢的にはまだまだやれる年ですが、気力の衰えが目立つので、今後またかつての強さを取り戻せるのか少々不安です。

 そして一番の問題点は昨日の琴欧州の休場です。優勝がかかる栃煌山戦をいきなり休むとは何事でしょう。もし旭天鵬が負けていたら、栃煌山の不戦勝での優勝決定となるところでした。たとえ怪我をしていても、大関の自覚があれば昨日は出てくるべきところだし、どうしても動けないほどの大怪我ならなぜもっと早く休場届けを出さなかったのか。そうすれば割返し(取組の再編成)をすることもできただろうに、琴欧州だけではなく親方の指導にも問題があると言うしかありません。

 最後に今回の旭天鵬の優勝が「日本人力士」の優勝として扱われるのかどうかという問題。旭天鵬はモンゴル出身ですが、今は帰化して日本国籍。当然、栃東以来6年振りの日本人力士の優勝となるべきところだと思うのですが、「日本国籍」力士の優勝であってモンゴル人力士の優勝であるという複雑な扱いをされそうです。NHKのアナウンサーも微妙な表現に終始していましたが、今後マスコミがどういう決着をつけるのか、ちょっと注目したいと思っています。



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