最近あまり家電に興味がありません。別に「家電芸人」ではないので、それほどマニアックに詳しいわけではないのですが、それでもいろいろチェックもしていたし、大型家電量販店にも定期的に出没していました。ところが最近はめっきり家電店に行く機会もなく、家電に関わりなく生活しています。

　聞けば家電メーカーも随分と売上減に苦しんでいるようで、我々広告業界にもその影響は及んでいます。自動車と並んで戦後日本経済を牽引してきた家電が不況に陥ると、いつまでも景気が良くならないので困るのですが、どうも底が見えずに困っているようです。

　いま家電が売れないわけは恐らくスマホのせいでしょう。かつて欲しかった家電製品の多くが今やスマホに内包されています。電話、デジカメ、ＰＣは言うに及ばず音楽プレーヤー、ビデオカメラ、ムービープレーヤー、ゲーム機、電子辞書、テレビ、ラジオ、電卓、電子地図、ナビ、歩数計、ボイスレコーダーなどなど、かつてはそれぞれ単体で買っていた家電製品がどんどんスマホに取り込まれていってしまいました。

　もちろん個々の性能で言えば専用品に比べれば劣るのですが、とりあえずスマホひとつ持っていれば大半のことはこなせてしまうのですから、あえて高くてかさばる家電を買い揃える必要はなくなってきました。自分がこだわっている分野以外の製品は買わずにスマホで代行しておけば良いと思うことでしょう。そしてスマホなら５万円程度ですが、これらの家電機器を全て揃えるとなると最低でもウン十万円かかってしまうのですから、そりゃ家電の売上が落ち込むはずです。

　今後もスマホはどんどんいろいろな機能を取り込んでモンスター化していくことでしょう。最終的に家電で生き残るのは白物家電だけかも知れません。さすがにスマホに冷凍冷蔵機能や洗濯乾燥機能、冷暖房機能などは付加できないでしょうから。