幹事クリタのコーカイ日誌2012

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1月29日 ● 女子テニスの世代交代。

 全豪女子シングルス決勝はアザレンカがシャラポワを圧倒して、あっさり優勝を決めました。これでアザレンカは初のグランドスラムタイトルを獲得するとともに、ランキング1位の座も勝ち取りました。全豪前の僕の予想では、昨年ウィンブルドンを制したランキング2位のクビトバがこの全豪も勝って1位を奪うのではないかと思っていましたが、3位につけていたアザレンカが先にナンバー1を取ってしまいました。

 長い間、女子テニスの世界はウィリアムズ姉妹とベルギー勢(エナン、クライシュテルス)が君臨し続けてきました。しかし、ウィリアムズ姉妹は30才を越え往年の強さもさすがに陰を潜めました。エナンは引退、そしてクライシュテルスも今年で引退を示唆しています。世代交代の時期にきているのに、なかなか若手が台頭してこなかったので、昨年は混沌とした覇権争いでした。

 昨年の王者は全豪クライシュテルス、全仏リーナ、ウィンブルドンはクビトバ、全米がストーサー。若手はクビトバだけで、後は20代後半のベテランばかりでした。しかし、ランキング1位には無冠ながらも若手のウォズニアッキが座り続け、彼女と同世代の選手が徐々にグランドスラムでも上位進出をしてベテランを脅かしていました。いよいよ今年は世代交代がはっきり進むのではないかと思っていただけに、今回のアザレンカの優勝は時代の歯車を一気に回した感があります。

 ちょうどこれは10年ほど前の男子テニス界の世代交代に似ています。サンプラスやアガシ、ラフター、イバニセビッチなどの1990年代のチャンピオンたちが衰えを見せ始める中、「ニューボール世代」と言われたヒューイット、ロディック、フェデラー、サフィン、フェレールらがぐんぐん伸びてきて次々とタイトルを獲得して旧世代を追い落とし、そしてその中から頭ひとつ抜け出したフェデラーが時代を築き上げました。

 同様にいま女子もウォズニアッキ(21才)、クビトバ(21才)、アザレンカ(22才)、ラドワンスカ(22才)、リシツキ(22才)、パブリチェンコワ(20才)ら、20代前半の若手が急成長をしています。特にクビトバとアザレンカは身長も180センチ台の大型選手。この2人がこれから数年間、女子テニスを牽引していくのではないかと睨んでいます。うまく育てばかつてのエバートとナブラチロワのようなライバル関係になれそうなだけに、大きな故障がないことを願います。

 ちなみに今回決勝で負けたシャラポワ。彼女はデビューが早かったのでもうベテラン扱いされていますが、実はまだ24才と若手に近い年齢です。相変わらず考えなしのハードヒット一本槍ですが、その威力はさすがに他を圧倒しています。新しい世代の大きな壁となって今後も活躍して欲しい選手です。



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