幹事クリタのコーカイ日誌2011

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7月6日 ● 松本復興相の放言と辞任を考える。

 松本龍復興相の放言と辞任の一連の騒動は「お粗末」と言えばお粗末、しかし面白いと言えば実に面白い一幕芝居でした。これほど突っ込みどころが多く、どこを切ってもネタになるという騒動はなかなかありません。そういう意味では松本という人のキャラは際立っているし、彼を起用した菅首相も見る目があったというべきかも知れません。

 松本のネタはまとめると以下のようになります。(1)岩手県知事に対して「知恵を出さない奴は助けない」発言 (2)同じく「九州の人間だから東北の何市がどこの県とか分からない」発言 (3)宮城県知事に「県でコンセンサスをとれよ。そうしないと我々は何もしないぞ」発言 (4)同じく「お客さんが来る時は自分が入ってから呼べ」発言 (5)報道陣に「今の最後の言葉はオフレコ。書いたらその社は終わりだから」発言 (6)以上の発言に対しての釈明に「九州の人間だから語気が荒い」「B型だから短絡的」などと九州人やB型への差別的な発言。

 もうどれもこれも「お前、アホだろ」と言うしかありません。ただ、これらの放言は言い方が悪かったり軽率だったり乱暴だったりしますが、松本が言いたいことはわかります。上から目線の「俺様」な態度は不快でしょうし、そういう意味では被災地の気持ちをわかっていないと批判されるのも仕方ないのですが、ただ「知恵を出す」ことも「コンセンサスを取る」ことも必要なことで、それを自治体に釘刺しておくというのは政府を代表する立場として被災地の知事と会談している以上わかります。それ以外の放言はまさに枝葉末節のどうでもいい軽口であって、もし「オフレコ」だったら問題になるような本質的なことではありません。

 松本は昨年環境相として名古屋議定書をまとめました。この時には本当に獅子奮迅の働きだったとかで、彼が頑張って何とか議定書をまとめなければ昨年のCOP10は無意味な会議になっていた可能性も大でした。松本は本人も言うように語気が荒くて短絡的な人間かも知れませんが、仕事が全くできない政治家だということでもないようです。

 政治家を言葉遣いや人柄だけで全否定すると、能力はないのに人柄だけは良い鳩山由紀夫のような人間にかき回されてしまいますから要注意です。今回の放言は例のごとくツイッターなどを介して瞬く間に広がり、一斉に「松本叩き」で盛り上がりました。一種の「祭り」なのですが、こうなると辞任というのは世論や国会運営、また被災地感情を考えれば仕方ないと思います。ただこれで復興へのスピードがまた遅れるという意味では残念な結果です。




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