幹事クリタのコーカイ日誌2011

[ 前日翌日最新今月 ]


 
7月4日 ● ウィンブルドンに見るテニス界の潮流。

 今年のウィンブルドンはジョコビッチの初優勝で幕を閉じました。2週間にわたってさまざまなドラマが繰り広げられるのは例年のこととは言え、今年はテニス界の流れに大きな変化があったことをハッキリと示した節目の年になったと思います。

 女子はようやく世代交代が起きました。10年以上にわたって女子テニスを支配してきた「ウィリアムズ王朝」が得意の芝の上ですら勝てなくなってきたこと、そして同じくここ数年グランドスラムタイトルをウィリアムズ姉妹と競い合ってきたベルギーの2人(クライシュテルス、エナン)がいなかったことで、一気に若手がのし上がってきました。ベスト4に残った4人の最年長がまだ24才のシャラポワであり、そのシャラポワをくだして優勝したクビトワはまだ21才。男子に数年遅れてようやく世代交代の波が起きたことは、今後の女子テニスにとっては明るいニュースです。

 男子は世代交代自体は進んでいましたが、旧世代最後の砦であるフェデラーの退潮がハッキリとしました。ジョコビッチとナダルの決勝は極めてレベルの高いゲームで、ここに果たして今後フェデラーが割って入れるのかどうか、見ていてもちょっと疑問に感じるほどでした。むしろ若いマレーやもっと若いデルポトロにこそ可能性を感じます。

 もちろん、フェデラーがいたからこそナダルがレベルを激しく上げることができたのだし、その2強に対抗するためにジョコビッチがここまで成長したことは間違いありません。ただこうした競争は、追いかける方が追いついたら後は一気に追い越していくもの。ジョコビッチは今年フェデラーに対して3勝1敗、ナダルに対しては何と5連勝。一気に2強を追い越してのナンバー1奪取でした。故障さえなければ、しばらくはジョコビッチを中心に男子テニスツアーが回っていくことは間違いないでしょう。

 ただ個人的にはフェデラーにもうひと花咲かせて欲しいという思いは消えません。あれだけ美しいテニスをするフェデラーが30才になるからと言って簡単に衰えて欲しくはないのです。今年唯一のジョコビッチの敗戦は全仏でのフェデラー戦ですし、その前の敗戦も昨年末のフェデラー戦です。フェデラーはナダルに弱く、ナダルはジョコビッチに弱い。だったらジョコビッチがフェデラーに弱ければ三竦みが成立します。フェデラーにもう一踏ん張りを期待しています。




twitterでもつぶやいています@kanjikurita

gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」