日テレが番組またぎで生中継をしたAKB48の第3回総選挙。本物さながらの速報など「バカバカしい」という人もいるでしょうが、まあ「悪ふざけ」としては僕は好きな方です。どうせやるならバカバカしいくらいの方が良いです。どんなことでも真剣さとおふざけの入り混じり具合が大事で、秋元康はとんねるずが若手の頃からいつもそのギリギリのラインを狙って悪ふざけを仕掛けてきているなぁと感じます。

　で、総選挙の結果は予想通りであまり意外性はなく終わりました。前田敦子の首位奪還も予想通りならば、柏木由紀や指原莉乃の躍進も予想通り。板野友美と松井珠理奈のランクダウンも想定内です。ある程度の順位の変動がなければ選挙をして人を入れ替えるダイナミズムがありませんし、かと言ってジャンケンの時のように主役と脇役が入れ替わり過ぎるのも困りますから、うまい具合に収まったというところでしょう。むしろ操作が一切無い「ガチ」の結果だとしたら絶妙の順位だと思います。

　問題は今後のAKB48です。今はメンバーがちょうど良い年齢にいてアイドルグループとしては絶頂期ですが、今後はどんどん現在の主力は高齢化していきます。アイドルには旬の年齢がありますし、特にAKB48のようなコンセプトのグループでは「大人のアイドル」への脱皮は難しいでしょう。

　となると、モーニング娘。のようにメンバーの入れ替えをするしかありません。篠田麻里子はもういつでも抜けて良い年齢ですし、大島優子もそろそろ厳しい年齢にさしかかっています。前田敦子、板野友美、高橋みなみらが櫛の歯が欠けるように抜けていった時に、AKB48の人気が今のまま維持できるかというと、これはかなり厳しい気がします。

　ただAKB48がモーニング娘。を先行するビジネスモデルとして考えたらそうなりますが、彼女たちのモデルはむしろ宝塚歌劇団ではないかと思います。専用の劇場を持ち常に交代で各チームが公演をするというスタイルは宝塚こそ本家です。そして宝塚なら人は入れ替わっても芸の質を保つことでグループとしてのパワーを維持し続けることができます。

　もっともAKB48が本当に宝塚になれるのか、そもそも宝塚を目指しているのかどうかは僕にはわかりません。10年後に今ほどの人気はなくても新しいメンバーで着実に安定した観客動員を続けているのか、それとも解散して「昔すごい人気だったよね」と言われて、懐かしいアイドルとしてバラエティに前田や大島が出ているのか、それは10年後のお楽しみです。もっとも、前田、大島、篠田、板野らは10年後も芸能界で生き残っている可能性はありますから、懐かしいアイドルとして登場してくるのは柏木や指原あたりかも知れませんが。

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