幹事クリタのコーカイ日誌2011

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2月19日 ● 吉田拓郎の歌。

 娘が「わたしは 今日まで 生きてみました」って誰の歌?と突然聞いてきました。友達に聞かれたそうです。その友達は「クレヨンしんちゃん」の映画の中で歌われていて気になったからだとか。もちろん僕は「それは吉田拓郎だな」と即答です。『今日までそして明日から』の有名な歌詞ですから、ある年代から上ならみんな知っていることでしょう。

 娘に「良い歌だよね」と言われたので、そうだね、と答えましたが、正直言って僕は拓郎世代ではありません。かぐや姫世代です。この微妙な差異は多分僕とほぼ同じ年代の人しかわからないことでしょう。今となってはフォーククルセダーズも吉田拓郎も井上陽水もかぐや姫も松山千春も、みんなひと括りにされて一緒の扱いですからね。

 僕が音楽に目覚めたのは中学2年の5月でした。なぜそこまで限定的に言えるかと言うと、その時にラジカセを買ってもらったからです。それまで音楽というのはテレビの歌番組で「見る」ものでした。だから小柳ルミ子や天地真理、アグネス・チャン、郷ひろみなどは歌っていましたが、テレビに出ないフォーク系の歌手のことは噂で聞いたことがあるレベルでした。

 ところがラジカセから流れてくるフォークソングは実に斬新でした。そして当時ちょうど大ヒットしていたのが、かぐや姫、荒井由実、チューリップといった面々でした。さらに続いてやグレープや甲斐バンド、中島みゆき、松山千春あたりが次々と出てくるのですが、リアルタイムにヒットを飛ばしている彼らはまさに「僕らの音楽」でした。そしてその頃には既に大御所になっていた吉田拓郎は、僕の中では「上の世代」の音楽であり、岡林信康や高石ともやと同じ扱いだったのです。もちろん日本の音楽史における吉田拓郎の立ち位置はわかっていますが、当時中学生の僕にとっては、です。

 だから吉田拓郎の歌は結構知っていますが、特に初期の『今日までそして明日から』のような傑作は全て後から聞いた曲なので、どうしても深い感情移入ができません。この年になって聞いて改めて「良い歌だよなぁ」と思いますが、青春時代をともに過ごしたわけではありませんから、グッと心を鷲掴みにされるほどではないのです。もっとも吉田拓郎も『シンシア』以降の歌だとリアルタイムに聞いていますから、世間的な評価はさほど高くなくても好きな歌はあります。そういうところが流行歌の面白さなんでしょうね。




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