幹事クリタのコーカイ日誌2011

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1月10日 ● 大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』第1回。

 昨晩から始まった今年のNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』。戦国時代の女性の中でもとりわけ有名な浅井三姉妹の末娘「江」を主人公に、女性の視点からの戦国時代を描くドラマです。原作・脚本は『篤姫』の田渕久美子。大奥の終焉を描いた彼女が、今度は大奥の始まりを描くということで、『篤姫』と対をなす作品と考えても良いでしょう。

 主演は大河ドラマ初出演の上野樹里。茶々に宮沢りえ、初に水川あさみ、市に鈴木保奈美、信長に豊川悦司、秀吉に岸谷五朗、おねに大竹しのぶ、光秀に市村正親、千利休に石坂浩二、家康に北大路欣也、秀忠に向井理と人気者、大物を揃え、いかにも大河ドラマらしい豪華キャストです。さすが大河50作目の節目となる作品だけのことはあります。

 第1回はいつものように人物紹介と設定紹介で早回しで終わりました。浅井長政に嫁いだ市が愛し合い三姉妹を授かり、そして長政が信長に滅ぼされてしまうというところまで一気です。これはまあ主人公が生まれるまでのお話ですから仕方ないとは言え、そのあたりの歴史を知らないと何をやっているのかさえ良くわからないかもとは思いました。

 まだ上野はほとんど出てきておらず、ここまでの主役は鈴木保奈美なのですが、久々にドラマに登場した彼女の美貌は44才という年齢を考えると大したものでした。顔だけ見れば若い頃とあまり変わっていません。ただ「女の年齢は首に出る」と言われるように、さすがにそこはどうしようもありませんでしたが、20代の市を何とかかんとか演じきっていたと思います。第2回以降は30代でしょうから、まあ許容範囲内に収まるでしょう。

 もう1人の主役であった豊川悦司の信長ですが、過去の幾多の信長と比べると、ちょっと狂気が足りないかなと思いました。もっと声が高く勘気が強い方が信長らしいのですが、少しマイルドな信長でした。まあでも基本的には好きな役者ですから悪くはありません。秀吉役の岸谷もまあまあです。剽軽さは出ていますが、秀吉らしい愛嬌と才気がもうひとつ。

 さて肝心の脚本ですが、相変わらず女性ファン向けの気恥ずかしい恋愛、夫婦愛パートが挟まってくるのが仕方ないとは言え余計です。戦国時代は現代のような男女の愛とは全然違うだろうと思うのですが、ここのところの大河ドラマはいつも感覚が21世紀。浅井長政には三姉妹以外に妾腹の男児もいたはずなのに、ドラマでは全く触れられてもいません。今や「側室無視」(ついでに「男色無視」)が大河ドラマの不文律です。

 セリフもほぼ現代劇。時代劇らしいセリフ回しなど最初から考えられていないのでしょう。時任三郎と鈴木保奈美のやり取りはかつてのトレンディドラマを見ているかのようでした。そのうちカタカナ用語が飛び出すのではないかとハラハラします。

 夫婦愛にしても現代劇風のセリフ回しにしても『篤姫』と同じテイストなのに、より『江』の方が気になってしまうのは、幕末と戦国という約300年の時代差がひとつと、話の中身も戦国時代だけに男性的でダイナミックだからでしょう。今後はもっと「姫」たちが主役になってくると思うので、もう少し馴染むかも知れません。

 第1回を見た感想は「様子見」。まだ面白い方に転ぶか、残念な方になってしまうのかは判断保留です。とりあえず録画して見ることは見ますけどね。今後の上野の演技があまりにも「のだめ」にならないことを願うばかりです。予告編を見ている限りではかなり似ていて心配です。




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