幹事クリタのコーカイ日誌2010

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8月22日 ● 春夏連覇の興南は史上最強か?

 沖縄の興南高校が史上6校目の春夏連覇を達成しました。沖縄勢と言えば昔は甲子園の「お客さん」扱いで、出場するだけで拍手をもらっていたのが、ついに春夏連覇を達成する日が来ようとは。かつては地域格差が激しかった高校野球も今は本当にレベルアップが著しく、昔のように「愛知」だ「大阪」だ「広島」だというような強豪県の名前だけではではなかなか勝てなくなってきました。

 それにしても決勝戦でも猛打爆発で全国の頂点に立った興南ですが、彼らは果たして史上最強の高校野球チームなのでしょうか?スポーツ界においては「今の最強が史上最強」という考え方があります。常にレベルアップを果たし進歩を続けているのですから、史上最強は現在の最強というのは一理あります。それでいけば興南こそ史上最強です。

 ただファンがいろいろと空想して楽しむには、その考え方は一度取っ払った方が楽しいです。時代の進歩という部分は補正をして考えて、高校野球最強チームを検討してみたいと思います。

 唯一の夏3連覇を果たした中京商は戦前のチームなのでもちろん、王貞治率いる早実とか、柴田勲の法政二、最初に春夏連覇を果たした作新学院とかは全く見ていない伝説のチームなのでわかりません。2校目の春夏連覇の中京商もまだ5才だったので事実は記憶にあってもその内容まではもちろん記憶にありません。

 僕が覚えているもっとも古い最強チームは1979年に史上3校目の春夏連覇を果たした箕島。石井-嶋田のバッテリーを中心にしたいかにも高校野球らしい堅いチームでした。春は浪商の黄金バッテリー牛島-香川を打ち破り、夏は星陵と延長18回の死闘に勝利しました。

 1983年の池田も強いチームでした。畠山・江上・水野の「やまびこ打線」はそれまでの高校野球の常識を覆すようなフルスイング。前年の夏を制し、翌年春も優勝。さらに夏も連覇間違いなしと思われましたが、桑田と清原の1年生コンビ率いるPL学園にまさかの準決勝敗退。これは準々決勝で「事実上の決勝戦」と言われた中京戦に勝った油断があったからじゃないかと言われています。

 その桑田・清原のPL学園は3年間ずっとベスト4以上。最強は1984年とも1985年とも言われていますが、僕は1985年宇部商との夏決勝での勝ち方が「強い」と思いました。そしてさらにその2年後輩の立浪・片岡・野村・橋本らが1987年に史上4校目の春夏連覇を果たします。このどちらが強かったかと言えば、これは難しい比較です。1戦だけの勝負なら大エース桑田がいる先輩たちの方が強いと思いますが、連戦となると投手陣の厚みがあった立浪ら後輩の方に分があるかも知れません。

 1998年松坂大輔の横浜は完成された横綱相撲の強さでした。決勝でノーヒットノーランを演じる超高校級投手の松坂と、小山・後藤・小池らの強力打線。神宮大会も国体も制して4冠達成、公式戦無敗だったチームだけに、実績では桑田・清原のPL学園を上回る史上最強チームの本命かも知れません。

 そして記憶に新しい2006年田中将大の駒大苫小牧。2004年、2005年の夏を連覇、2006年の春を不祥事で辞退して、中京商以来の夏3連覇を賭けて臨んだ2006年の大会でしたが、決勝で「ハンカチ王子」斎藤佑樹率いる早実に延長引き分け再試合の末に競り負けました。

 今年の興南も十分に強いチームですが、こうして振り返るとやはり印象的なのは池田、PL、横浜でしょうか。後にプロでも活躍するような選手が複数いるチームは、高校時代から華やかで強さが一際目立ちます。ただ1試合だけの勝負だったら、これらに負けないチームがいます。1973年江川卓の作新学院。細かい数字の凄さは調べてもらえればわかりますが、とにかく小学生の中で大人が野球をやっているように感じたのは江川だけです。それほど江川は際立っていました。1試合勝負なら江川を打てる高校生はいないでしょう。辛うじて1985年の清原なら勝負になるかも知れません。

 結論、史上最強の高校生は江川。チームはKKコンビのPL学園ということで。ま、あくまでも遊びですからもしファンの方いたらご勘弁ください。史上最強は何校あっても良いと思います。



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