幹事クリタのコーカイ日誌2010

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5月30日 ● 中小企業家におけるツイッターの価値。

 先日、愛知中小企業家同友会のIT研究会に出席しました。なんで「企業家」ではないし、中小企業にも勤務していないサラリーマンの僕が何の関係もない研究会に参加したかと言うと、今秋にこの研究会の講師を依頼されたので、では一度どんなものか見せて欲しいとお願いしたのです。

 今回の研究会のテーマは「ツイッター通販」でした。話題のツイッターを使って、どうモノを売るか、というとっても実利的な内容で、講師は伊賀上野で自転車を通販をしている方。完全に関西ノリで、聞けば大阪のツイッター交流会の幹事をされているそうです。

 関西のノリは名古屋ではちょっと苦戦したみたいで、笑って欲しいところ、リアクションが欲しいところで受けずやりにくそうではありましたが、さすがに関西人、話自体は聞きやすくてよくわかりました。もっとも、わかりやすいと感じたのは、内容がツイッターの基礎知識が中心だったので、ほぼ全編僕が知っていることだったせいもあるかも。全くツイッターの知識のない人がどれだけ理解できたかはちょっとわかりません。

 ところでこの研究会の中心人物は「twiNAGOYA」の幹事で、講師の方もtwiOSAKAの幹事。twiNAGOYAはツイッターの地域交流会の走りで「相互フォロー」を基本方針とする組織です。ツイッターでフォロワーを増やすには、とにかく相互フォローが一番手っとり早いという方法論を確立し、twiNAGOYAのメンバーの多くは数千〜数万のフォロー、フォロワーを誇っています。

 僕は以前にも書きましたが、この「相互フォロー」というやり方には懐疑的です。相手が誰か、何をしていて、どんなことに興味があり、何を呟いているかを一切問わずにとにかくフォローしまくり、フォローしてくれと言う行為に一体何の意味があるのか不思議で仕方ありませんでした。それではTLをとても読み切れず、相手も自分の呟きにそれほど興味を示してくれないだろうし、単に見かけの数字が増えていくだけに過ぎないのではないかと。

 そんな無意味と思える行為をなぜ彼らは日々続けているのか、このIT研究会に参加して少し理解できました。それは講師の方がいみじくも言ったように、ツイッターのフォロワー数は「拡声器」の大きさだという理論でした。何のための拡声器か?もちろん商売のためです。

 「あきんどツイッター」なんだそうです。ツイッターでモノを売りたい、客を呼びたい、それが目的でツイッターをやっている人にとっては、フォロワーが100人ではほとんど何の効果も期待できません。自分の呟きでフォロワーの1%が反応してくれるなら、100人では1人ですが、1万人いれば100人。つまり100倍の売り上げが期待できるのです。だったらとにかくフォロワーの数を増やして、声をより大きくして届かせることが最優先になるのもわかります。

 僕のように商売とは関係なく楽しみでツイッターをやっている人間には全くない発想でした。ツイッターの機能が発信、情報収集、交流の3つだとすると、商売の人達は発信が最優先ですが、僕などは情報収集と交流がメインです。発信はそれほど大事でありませんから、フォロワーの数が100人でも500人でも問題ありません。むしろあまりフォロワーが多いと、余計な雑音が増えそうでかえってストレスが溜まりそうなので、考え方の近い人たちがフォローしてくれれば良いかな、なんて思っています。もし何かの数字で評価をするなら、フォロワーの多さよりも公式、非公式のRTの多さ、つまり呟いた内容に対する反応や同意、共感こそが大事だと思います。

 我々のようなサラリーマンと、中小企業の経営者や個人事業主はツイッターひとつに対しても考え方が全然違うものなんだなぁと実感しました。彼らにしてみれば無料で使える宣伝媒体を最大限に使わないなんてもったいない、ということなのでしょう。もっと言えば、単なる楽しみでツイッターをやって時間を潰していられるほど、中小企業の経営者は暇ではないということです。さて、こんな人たちの集まりで僕は何を話せば喜んでもらえるのでしょうか?まだ僕が話すまで半年あるので、おいおい考えていこうと思います。



twitterでもつぶやいています@kanjikurita

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