幹事クリタのコーカイ日誌2010

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2月13日 ● 服装なんて注意して終わりで良いじゃん。

 昨日の日記についてこちらこちらからご意見をいただきました。合わせてお読みいただくと、より楽しんでいただけるかと思うので、ぜひご一読ください。ちなみに僕が「リスペクト」という言葉を使ったのは、もちろん「敢えて」使ったのです。「尊敬」という言葉とのニュアンスの違いを感じ取っていただけたらと思います。

 さて、話変わってバンクーバー冬季五輪スノーボード日本代表の国母和宏の服装の一件。あらましはこういうことなんですが、世の中の意見としては「国の税金を使って行っているのに恥ずかしい」というのと「スノボなんてそんなもんなんだからガタガタ言わなくても」というものとに大きく分かれているようです。

 僕は正直「どうでも良い」という立場です。服装ごときでここまで大騒ぎすることではないと思います。そりゃTPOをわきまえていないし社会人として恥ずかしい、という意見は正論ではありますが、とは言え空港に到着するのにドレスコードがある訳ではないし、あれくらいならまあ大目に見ても良いんじゃないかとも思います。別に彼は裸で現れたわけではないのですから。ましてスノーボーダーならその許容範囲の枠をさらに広げて考えても構いません。彼らはそういう文化で育っているのですから。

 しかも国母はまだ21才です。ちょっと突っ張ってみたくなるお年頃です。あれくらいの「反社会性」があって当たり前。むしろ老人の気に入るような言動ばかり取る若者の方が薄気味悪いです。石川遼はその言動も含めて素晴らしい選手だと思いますが、若者が全て石川遼ではないし、そうある必要もありません。だから今回のことは国母に誰かが注意して終わりで良かったと思います。誉められたことではないですが、いつまでもグジグジ言う必要は感じません。

 それより僕はこんな些細なことに対してみんなで一斉に非難するその「小姑根性」の方が気になります。これから五輪を戦おうという選手に背中から刺すような苛烈なブーイングを浴びせて一体どうするんでしょう?そうやって若い選手にプレッシャーをかけて失敗したら「そら見たことか」と嘲笑しようと手ぐすねひいて待っているんでしょうか?スノボは前回のトリノ五輪でも完敗しました。その時も「あんな格好してチャラチャラしているから負けるんだ」的な意見が散見されて「それは違うだろう」と思ったものです。だって勝った外国人選手だって同じような格好をしているんですから。逆に言えばファッションで勝てるなら誰も苦労しません。

 選手に対して必要なブーイングの第一は敢闘精神に欠ける時、第二はアンフェアなプレーをした時、第三はそのスポーツ(相手とか審判とかサポートしてくれている人たちも含めて)に対する敬意を欠いた時だと思います。態度が気に入らない、言動が良くない、服装が乱れているなんてことは、アスリートにとっては二の次三の次です。まずどういう結果を出すかが彼らにとっては大事ですし、その結果を受け止めるのも必死に戦った選手自身です。観客は所詮観客に過ぎません。もう少し冷静になってゆるく気楽にスポーツを楽しみたいものです。


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