気がつけば今年は平成２２年。昭和の頃は西暦よりも昭和○○年をよく使っていたんだけど、平成になってからは西暦の方が圧倒的に多く使います。基本言語が西暦になった感じ。だから昭和３０年代とか昭和４０年代とかはすぐにイメージできるんだけど、平成１０年代と言われても全然ピンとこない。逆に１９９０年代とか２０００年代の方が理解しやすくなってしまいました。

　１９８９年、もしくは昭和６４年の１月７日土曜日、僕は珍しいことにスキー場にいました。全くスキーをやらないし興味もなかったのですが、この時はテニス仲間の会社の先輩たちに半ば強引に誘われて４人グループで御岳スキー場に泊まりで行っていたのです。前日の金曜日夜にスキー場に着き、朝になっていざ滑ろうという時に「天皇が！」というニュース。先輩と「どうする？名古屋に戻る？」と相談しましたが、戻ったところで何ができるわけでもないので、結局そのまま予定通りにスキーを楽しむことにしました。

　と言っても、初めてのスキーは何とか滑ることはできましたが、それほど楽しいと思ったわけでもなく疲れるばかりだったので、早々に切り上げて休んでニュースばかり見ていたのを覚えています。あの小渕官房長官が「平成」の額を掲げて記者会見をしていました。「へいせい」って、空気の抜けたような音だよねぇ、とみんなで話していました。

　翌８日日曜日には平成がスタートしました。前の年からずっと天皇の病状はマスコミが騒いでいて、いろいろなイベントが自粛（前年の中日ドラゴンズの優勝パレードも中止でした）していましたし、広告業界もＸデーに向けて差し替え原稿を用意したりして、いろいろな準備をしていました。だから仕事自体は思ったほど混乱もありませんでしたが、正月気分はすっかり吹き飛んでしまったことだけはよく覚えています。特別な土日だったなぁ、と思ったあの日から丸２１年。後にも先にも僕がスキーをしたのはこの時だけ。そして、この年の９月に生まれた息子は、あと３日後に成人式です。

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