幹事クリタのコーカイ日誌2009

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8月25日 ● 43年ぶりの優勝。

 高校野球は何が起きるかわからないとは良く言われますが、本当に昨日の決勝戦、最後の最後までどうなるかとハラハラしました。もちろん地元愛知の代表中京大中京を応援していたのですが、まさか6点差の9回2死ランナーなし、マウンドにはエースの堂林というところから、あそこまで追い上げられるなんて思いもよりませんでした。

 最後の強烈なサードライナーが三塁手河合のグラブに入ったのは、神様の気まぐれでしょう。もう少し打球がずれていたら同点だったのですから。ただその前に河合はファウルフライを見失っています。あれを取っていれば問題なく試合は終わっていたのですから、彼のために神様がライナーをグラブの中にプレゼントしてくれたと考えた方が良いんじゃないかと思えるくらい、日本文理の猛攻は見事なものでした。諦めなければ奇跡は起きるというドラマのような攻撃だったと思います。

 ともあれ、中京大中京は43年ぶり、最多7度目の優勝を果たしました。これは愛知県勢にとっても夏の甲子園43年ぶりの優勝です。かつて「球国愛知」と謳われ戦前戦後に無類の強さを誇った愛知県の高校野球が、かくも長い空白を経験するとはさすがに思いもよらないことでした。

 僕が高校野球を意識し始めたのは1969年松山商と三沢の決勝延長18回再試合からです。僕はまだ小学校3年生でした。あれ以来、ずっと愛知県勢を応援してきながら、全国制覇を果たせないまま40年。春は近年になって東邦、愛工大名電が優勝しましたが、夏はどうしても優勝に手が届きません。その間にはバンビ坂本の東邦、野中、紀藤を擁した中京、工藤の名電などが惜しいところまでいきました。イチローも古木も朝倉も届かなかった優勝をようやく目にすることができた時には、まさか8才だった自分が五十路を前にしているとは。40年という歳月の長さを感じます。

 今大会は隣県の県岐阜商もベスト4まで進出しました。しかもPL学園、帝京という東西の強豪校を下しての4強進出は古豪復活の快挙でした。惜しくも決勝での東海対決は実現しませんでしたが、野球大好き少年だった自分の夢がようやくかなった甲子園大会でした。