幹事クリタのコーカイ日誌2008

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11月5日 ● 小室哲哉逮捕。

 世の中にあまり大きなニュースがなかったせいか、小室哲哉逮捕のニュースがトップを賑わせています。今さら売れていないミュージシャンが詐欺で捕まったって言っても、ちょっと前から囁かれていた話ですし、こんなのは芸能ニュース止まりで、新聞の一面にデカデカと載せるようなことではないと思うのですが、よほどネタ枯れなのか、それとも何か政治絡みでヤバイ事件があったのを隠蔽するためかと勘ぐってしまいました。

 小室哲哉が一時期本当に良く売れていたことは認めますが、当時すでに大人だった僕にはあまり小室に思い入れはありません。これが中学生くらいだったら「TK=神」かも知れないですけど、僕たち広告屋にしてみれば、やたらと演出と仕掛けが巧みな商売気溢れるミュージシャンでしかありませんでした。

 当時のTK氏は、売れるためなら何でもやるという印象で、そのあざとさには感心するばかりでした。音楽自体はあれやこれやのパッチワークで、その無茶苦茶な英語の歌詞とともに、安っぽい虚飾に満ちあふれていて、それが逆にキッチュな魅力を持っていると思っていました。

 音楽プロデューサーとして名を馳せた日本で最初の人物であり、彼のお陰でその後のプロデューサーブームが訪れるわけですが、所詮はブームに過ぎなかったのもご愛敬です。プロデューサーが表に出ること自体がおかしな話ですから、今が正常に戻っただけですが。

 小室が逮捕されても「TKブランド」で世に出た楽曲に罪はありません。阿久悠が死んだら追悼番組をやるように、小室逮捕を受けた特別番組でもやって、どんどん彼の楽曲を流せば良いのにって思いますけど、そんな勇気はどこのテレビ局にもないわなぁ。