麻生首相は世界的な金融危機に対応するために、総事業規模２６兆９０００億円の追加景気対策を発表しました。赤字国債を財源にしないこと、消費税の３年後の引き上げも合わせて言及。また景気対策優先の立場から、衆院解散を先送りすることを表明しました。基本的には僕も麻生の言う通りだと思います。

　なによりもこの危機的な金融状況を選挙で放置するわけにはいきません。今回の金融危機はアメリカ発の巻き込まれ型災害ですから、日本は早め早めに手を打って被害を最小限に食い止めることが必要です。そのための各論は「選挙目当てのバラマキ」的な施策が多いですが、それはまだリーマンショック以前に考えられていたものだけにある程度は仕方ありません。とにかくどんどん手数を増やして対応していく姿勢を見せることで市場に安心感を与えることが何より大事です。

　いまこの時期に政治的空白を作るなどもってのほかです。自民党は公明党にかなり解散をせっつかれていたようですが、それを押し切ったことも評価できます。公明党の言いなりになっているようでは、絶対に自民党に投票したくはありませんから。

　そもそもこの状況で選挙をしようと言う政党こそ何を考えているんだかと思ってしまいます。選挙をするにしても、まずこの金融危機に対する麻生内閣の取り組みを見てからの判断で良いでしょう。民主党との差異を国民に示すためにも、麻生内閣はしっかり仕事をしなければなりませんから、やはり選挙は来年で良いと思います。

　また麻生は今回消費税アップに言及しました。行政改革を行った上で３年後に消費税を上げるということですが、これもまた評価したいところです。財政再建のためだけではなく、日本の５％という消費税はそもそもが低すぎます。もっと消費税を引き上げてその代わりに所得税を下げて直間比率を見直すべきです。今の日本人の大多数を占めるサラリーマンは、儲けているのに「節税」などと言って税金を払わない自営業の分まで直接税で払わされているようなものです。間接税にすればサラリーマンも自営業も関係ありません。一律に一定の税金を払わされるのですから。

　地方の高速道路を一律１０００円にするなどの「受け狙い」だけの施策には首を捻ってしまいますが、選挙を来年に控えて、それでも消費税アップを明言した麻生の姿勢と覚悟は二重丸です。この調子で麻生が次々と手を打ってきたら、民主党はなにもできないままジワジワと立場が悪くなりそうです。かと言って下手に動くといつもボロを出すのが民主党だけに、今はじっと我慢しかないのかも知れません。小沢も辛いところでしょう。