幹事クリタのコーカイ日誌2008

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10月1日 ● 世襲議員を当たり前と思う感覚。

 麻生内閣は「お坊っちゃん内閣」と揶揄されています。二世議員、三世議員が山盛りで、そもそも麻生太郎自身が大久保利通から数えて五世議員だというのですから、そりゃスゴイものです。五世なんて普通は国王とか法王の称号ですよ。「○○五世」って。

 当然「世襲議員に庶民の痛みがわかるか」的な批判が渦巻くわけですけど、「庶民の痛み」の理解力よりも「日教組の子どもは学力がなくても先生になれる」なんて言った中山前国交相じゃありませんが、「政治家の子どもは能力がないのに議員センセイになれる」ことの方が問題だと思われます。

 例えば小泉純一郎の後継として指名された小泉進次郎。まだ27才のこの「お坊っちゃん」はすでに当選確実らしいのですが、彼がどんな人間でなにができるのかはほとんど問われていません。彼が小泉家の息子だからというだけで、後援会は彼を担ぎ、選挙民は彼に票を投じるのです。そして当選すれば、進次郎くんは「四世議員」になります。小泉家は21世紀の横須賀の「殿様」みたいなものです。そして日本全国にそうした「殿様議員」がわんさかいるわけです。

 いくら世襲議員を批判しようとも、実際にはこうして典型的な「お坊っちゃん」が当選する以上、国民が実は世襲制を認めているし好きなんだとしか思えません。「血統」に対する強い信仰心があるんでしょう。「息子」「娘」というだけでバカでも何でも納得しちゃうんですから。「血統書付き」「血筋が良い」なんて、競走馬じゃないんだから、人間をそれだけで判断してしまえる単細胞さに僕は驚きます。

 このことを天皇制に結び付けて論じることも、アジア文化圏(中華文化圏)に独特の血族重視主義として論じることもできそうですが、とにかく「貴種」とか「サラブレッド」とか「王子様」とか大好きなんですよね。特に最近では林真理子的なミーハー女性がこういう「血統の良さ」を無批判で憧れて受け入れる傾向にあります。きっと「白馬の王子様」願望が強いんでしょう。「シンデレラコンプレックス」と世襲議員について、誰か論文でも書いてくれませんかね。