幹事クリタのコーカイ日誌2008

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7月5日 ● 画面に「アナログ」表示で思い出すこと。

 NHKは地デジ移行を3年後に控えた7月24日から、アナログ放送で画面上に「アナログ」のスーパーを表示するそうです。地デジへの移行をアピールするためだそうですが、アナログ放送で見ている人にはかなりプレッシャーというか、いやがらせ感があって不快な気分になりそうです。

 これで思い出すのが、カラー放送が普及しはじめたおよそ40年ほど前のこと。モノクロ放送から徐々にカラー放送が増えてきて、テレビの画面に「カラー」、新聞のテレビ欄にも「カラー」と、カラー放送を強調していたものです。

 当時「底抜け脱線ゲーム」という人気バラエティ番組があって、色分けされたチームがゲームをして得点を競い合ったのですが、モノクロで見ているとあまり色分けが判然とせずわかりにくかったのに、カラーで見たらハッキリ区別がついて「これはカラーじゃなければ」と思ったものです。

 僕の父親は貧乏だった割にはテレビ好きだったので、昭和34年の結婚時にすでに白黒テレビを購入していたし、カラーテレビを買ったのも昭和40年とかなり周りの家に比べて早かったことを覚えています。恐らく当時のカラーテレビの値段は年収分くらいはしたと思うので、相当思い切った買い物だったはず。幼かった僕は両親のテレビにかける情熱にも気づかずに単純に喜んでカラー放送を見ていただけですが、「三丁目の夕日」的な光景が展開されていたことは間違いありません。カラーテレビは高度成長時代のひとつのアイコンでした。

 今、地デジ移行に際して低所得者に対する受信機の普及対策などが検討されているようですが、当時は誰もそんなことは考えてくれませんでした。金持ちはカラーテレビを買うし、貧乏人は我が家のように無理して月賦で買うか我慢する、というだけのことでした。たかがテレビです。なければないで済むことですし、当時のように年収分もするほど高価でもありません。それでもいろいろと対策を考えなければならないのですから、大変な世の中だと思います。