幹事クリタのコーカイ日誌2008

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5月5日 ● 伊達効果に期待。

 カンガルーカップ最終日、単複ともに決勝に進出したクルム伊達公子ですが、シングルスはタナスガーンに逆転負けを喫して準優勝。奈良くるみと組んだダブルスは見事に優勝を果たしました。単複2冠はなりませんでしたが、復帰第1戦としては上出来、というよりは、出来過ぎでしょう。

 シングルス決勝の相手のタマリネ・タナスガーンは今大会第2シードながら、第1シードの中村藍子よりもむしろ伊達にとっては難敵だったと思います。かつては世界のトップ20に入っていたアジアのエースですし、30才でツアー経験も豊富です。この一週間で単複12試合をこなした伊達の疲れを読み切り、第1セットを失っても冷静さを失わずに伊達のミスを誘った逆転劇は、タナスガーンのプロとしてのしたたかさと意地を感じました。

 ただ負けたとは言え伊達の評価は落ちるものではありません。むしろよくぞここまで体力精神力のスタミナを保ちながら戦い続けたなと感動すら覚えます。今後シングルスだけに絞ってきちんと休養を入れながら臨んだら、かなりのところまで勝てそうな気にさせるプレーぶりでした。国別対抗のフェド杯の代表にもぜひ伊達を入れてみてはどうだろうと思います。彼女の経験は必ずや若い選手たちに伝わり生きてくることでしょう。

 また伊達の今回の活躍は連日ニュースでも大きく取り上げられました。これは低迷するテニス界にとって大きな効果があったと思います。日本のテニス人気はヨーロッパに比べて格段に低いと言われているだけに、女子の伊達と男子のホープ錦織圭が起爆剤となって日本テニスを活性化してくれれば、第4次(?)テニスブームも夢ではありません。伊達がグランドスラムにワイルドカードを使ってでも参加してくれたら、再び地上波でのテニス中継も復活するかも知れません。そして、テニス人気が盛り上がる→テニス人口が増える→日本テニスが強くなる→ますますテニス人気が盛り上がる、という正のスパイラルが起きるきっかけに今回のカンガルーカップがならないかと期待しています。