幹事クリタのコーカイ日誌2008

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3月1日 ● 錦織圭デ杯メンバー入り。

 先日「デルレイビーチ国際」でATPツアー初タイトルを獲得した日本男子テニス界期待の星、錦織圭がいよいよデ杯デビューします。4月に行われるデ杯のインド戦の日本チームのメンバーが発表され、その中に錦織の名前が初めて加えられたのです。現在のランキング123位は日本男子でトップなのですから、当然と言えば当然の選出ですが、やはり18才という年齢を考えても、現在の勢いを考えても、期待は高まるばかりです。

 日本のデ杯チームはこれまでアジアのライバルと熾烈な争いを繰り広げてきました。韓国、台湾、タイ、インドなどと勝ったり負けたり負けたり、と、少々分が悪いくらいの成績でしたが、それでも一応はアジアの強国であり続けてきました。

 しかし、日本サッカーやラグビーと同じく、アジアレベルでは何とかトップクラスとして戦えても、アメリカ、オーストラリア、そしてヨーロッパや南米の強豪各国と対戦すると一蹴されることが常で、どうしうてもテニスの一流国とは認められていません。フェド杯で常に世界16強に入っている女子と比べても明らかに差があり、悔しい思いをしてきました。

 デ杯はシングルス4本とダブルス1本で勝負を決めるので、エースひとりでシングルス2勝とダブルス1勝を挙げれば勝つことができます。まあダブルスまでは望まないまでも、少なくともシングルスで確実に勝利を計算できるエースがいれば、どれほど心強いことか。

 この10年、日本は鈴木貴男がエースとしてデ杯チームを引っ張ってきましたが、世界で100位台の鈴木では善戦しても勝ち切ることが難しく、いつも苦汁を飲んできました。その前の10年は松岡修造がエースでしたが、故障が多いガラスのエースの松岡は肝心な時に負けてエースの責を果たしていたとは言えません。

 女子は沢松和子、井上悦子、伊達公子、杉山愛と、この30年間絶えず「世界クラス」のエースがいて、全体のレベルを引き上げてきました。錦織には日本の絶対のエースとして君臨してもらうだけではなく、同世代の若いプレーヤーたちを刺激し、全体のレベルアップを図り、さらには下の世代の目標となって欲しいと思います。久々にテニスファン以外の人々にまで名前が知られる男子選手の登場なのですから、大きな花を咲かせて欲しいと期待しています。