幹事クリタのコーカイ日誌2007

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8月18日 ● 二股男の捨て身の必殺技。

 先日予告しながら書くのをやめた二股男の究極テクニック。ネタ元に了承をいただけたのでようやく書くことができます。もちろんネタ元への配慮のため、細部はいろいろ変えてありますが、基本的なアイデア(?)は変えてありません。

 彼女の名は仮にAちゃん、その二股男は仮にFくんとします。彼らが知り合ったのは、実はAちゃんの友だちの彼としてでした。しかし、Fくんは自分の彼女に紹介されたAちゃんのことをすぐに気に入り、強引に「乗り換え」を図ったのです。最初は彼女との仲がうまくいっていないとか何とか相談を持ちかけられ、その相談をAちゃんが親身になって聞いてやっているうちに仲良くなってしまうという、まあいかにも「ありがち」な展開。しかし、当然のことながらこれはトラブルとなり、修羅場を経た挙げ句にAちゃんと友だちの関係は破局、Aちゃんは「あんなわたしのお古が欲しけりゃくれてやる!」と友だちから言われ、周りの他の友人からも「略奪女」として白い目で見られることになってしまいました。

 それでもAちゃんは「Fくんは優しいし気が合うし相性最高」なので彼についていこうと心に誓い、周囲の人間関係を失った分、二人の関係をより確かなものへと築いていこうと努力しました。とは言え、彼女の友だちに手を出すような男だけに、いくら口では「愛している」「お前だけだ」などと甘い言葉を言われても、どこか不安は拭い去れません。しかも付き合い始め方がそうなだけに、親にもおいそれと紹介もできません。Fくんは仕事が忙しいからと言ってなかなか会ってくれないし、メールは来るけどこちらから電話しても大抵留守電でかかってくる時は折り返し。徐々にAちゃんのイライラは募っていきました。

 そんなAちゃんの不信感を感じたのか、Fくんは「じゃあオレの部屋の合鍵を渡しておくよ」とAちゃんに言ったのです。彼は仕事で家を空けることが多いからあまり部屋に戻ってこられない、だからオレの代わりに部屋を自由に使っても良いよ、と。そう言われたAちゃんは喜びました。部屋の合鍵を渡すということは、他に女はいないという証明だし、自分のいない時に好きに使えということは、Aちゃんの私物だって置き放題。つまり部屋にAちゃん以外の女をFくんは連れ込むこともできないということです。

 しかし、これこそAちゃんを信じさせるためのFくんの「必殺技」だったのです。実は出張が多いと言っていたFくん、その間はかなりの頻度で一人暮らしの別の女の家に泊まり込んでいたのです。平日はその女のところで半同棲状態、休日になると「親が病気がちだから実家に顔を出したい」とか何とか言って、自分の部屋に戻ってきてAちゃんと過ごしていたわけです。Aちゃんは合鍵を渡されて新妻気分で部屋の片付けや掃除もし、彼のために料理を作って待っていたというのですから哀れです。

 2人の女と付き合うには2つの部屋があれば良い、というFくんの発想はなかなかユニークなものでした。自分の部屋を彼女に明け渡すといのは、かなりの捨て身技で、これなら確かに女性も信じてしまうことでしょう。ただ残念ながら、いくら上手に二股していても、やはり破綻する時はやってきます。「親の病気」という理由を怪しんだ一人暮らし女が彼の住所を調べ上げて乗り込んできてしまったのです。しかも、その時に彼の部屋にいたのはAちゃんだけ。肝心の本人抜きで女同士で睨み合いながら、やっぱり他に女がいたかぁ、と「女の勘」を信じなかった自分をAちゃんは悔やんだそうです。なにせそれまでの人間関係という自分にとって大きな財産を失っているだけに辛かったことでしょう。

 女性からすると「そもそも彼女の友だちに手を出す男なんてサイテー」「そんな男に騙される女も頭が悪すぎ」ということになるんでしょうが、僕に言わせればそんな男はいくらでもいるし、そんな男に騙される女も世の中にたくさんいることを知っていますから驚きはありません。男も女も「隣の芝生は青い」と思いがちで、他人のものは何となく良く見えるものだからです。まあこの事例は、さすがにAちゃんはもう少し早く男の正体に気づけよとは思いましたが。先日の「二股男の見抜き方」チェックポイントに当てはまる部分がいくつもありますから。

 それよりもFくんの「必殺技」は彼のオリジナルなものなのか、それともナンパ界では結構有名な手口で共有化されているのかが知りたいものです。きっと彼がこの手口を使ったのはAちゃんの時が最初ではなかったと思うんですよねぇ。女好き、ナンパ好きの世界は深いですから、僕のような素人には驚くようなことがいっぱいです。女性の皆さん、合鍵を彼から渡されたからと言って、それだけで単純に彼のことを信じてはいけませんよ。