幹事クリタのコーカイ日誌2007

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6月19日 ● 「いおうじま」か「いおうとう」か。

 クリント・イーストウッド監督の映画『硫黄島からの手紙』の原題は「Letters from Iwo Jima」です。つまり「いおうじま」という読みなんですけど、僕の中ではずっとあれは「いおうとう」なのでは?と言う疑問がありました。何となくこれまではそう聞いたことが多かったからです。

 島を「しま」と読むか「とう」と読むかは大抵決まっていて、淡路島は「しま」であって「とう」ではないし、礼文島は「とう」であって「しま」ではありません。と言っても、基本的に日本の島の大半は「しま」と読んでいる場合が多く、「とう」で思いつくのは択捉島、国後島、利尻島、奥尻島など北海道近辺の島々くらいです。

 ただ外国の島は基本的にハワイ島だろうがジャワ島だろうが「とう」ですから、江戸時代以前から馴染みのある島は「しま」で、明治以降に知ったような島は「とう」なのかな?という気もします。ですから硫黄島のある小笠原諸島も基本的には「しま」と読んでいるので「いおうじま」が正しい読み方なのかなぁと思っていました。実際、地図にも「いおうじま」と表記されています。

 ところが、現地では「いおうとう」と昔から呼びならわしていたそうで、今回小笠原村の要望により正式に「いおうじま」から「いおうとう」へ呼称を変更することが決まったそうです(こちら)。

 昔から「いおうとう」と呼んでいたのに、戦後「いおうじま」に呼称が変わって、地元の人はずっと違和感があったのだとか。それなら現地の人が正しいと思う呼称に変えれば問題ないと思いますが、記事によれば旧日本軍の遺族会は「いおうじま」が明治初めの海図にも載っている正式名称だと反対しているそうです。どうも地元の住民は「いおうとう」で、海軍は「いおうじま」ということだったみたいですね。

 小笠原諸島の他の島々が「しま」なのに、なぜ硫黄島だけが「とう」だったのかは謎ですが、本土の人間の呼び方よりも、かつて住んでいた(現在は硫黄島は米軍と自衛隊だけの島で立入禁止です)島民の人たちの呼び方の方が優先されるのは当然だと思います。今回、硫黄島は映画で注目を集めたからこうして呼称変更という話も生まれましたが、もしかしたら本当は「とう」なのになぁ、と思っている他の「しま」の人たちもいるのかも知れませんね。


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