いろいろなところで話題になっている中国の国営遊園地。見事なまでにディズニーを始めとした様々なキャラクターやアトラクションのパクリを堂々としていらっしゃいます。しかも、中国政府は「知的財産権なんて概念は今までなかったから周知なんて無理」と開き直っているそうで、そりゃアメリカもカリカリするはずです。

　こんな中国で来年には北京五輪が開催されるわけですが、オリンピックというのもかなり権利関係には厳しいことで有名です。オフィシャルスポンサーではないクライアントが「オリンピック」「五輪」「金メダル」などのワードや、五輪のマークなどを広告内で使用することはできません。例えばオフィシャルスポンサーではない家電店が「北京五輪を大画面テレビで見よう」なんてキャッチコピーを使ったチラシを作ってはいけないわけです。

　ところがオリンピックのオフィシャルスポンサーになるには莫大なお金がかかりますから、大企業ならともかく小さなクライアントではとても手が出せません。かと言って、ダマテンで使って見つかれば大変なことになりますから、仕方なく何となくオリンピックをイメージさせながらも、どこにも権利関係に触れないような苦心作ができあがるわけです。

　しかし、ディズニーなんて世の中で一番権利関係にうるさいところを堂々とパクる中国人が、そんな細かいことを気にするとはとても思えません。きっと来年には中国全土にオリンピックを無断で商業利用した広告物があふれることでしょう。

　なにせ広大な国土と膨大な人口を誇る国です。「見つからなければＯＫ」「見つかっても開き直ればＯＫ」「だいたい広すぎて見つかるわけない」というお国柄では、どうやったところで違法使用を防ぐことなんてできないでしょうね。いちいち見つけて摘発してもいたちごっこになるに決まっていますし。いろいろな意味で不安な中国でのオリンピック。ＩＯＣも随分と思い切った決断をしたものです。