幹事クリタのコーカイ日誌2006

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9月20日 ● 『結婚できない男』最終回。

 この夏ドラマで最も秀逸だった『結婚できない男』が最終回を迎えました。ずっと見てきた視聴者として一番の関心事は、果たして主人公が最後に結婚できてしまうのかどうかだったのですが、ラストは結婚を暗示して終わりました。まあ無難と言えば無難な終わり方だったと思います。脚本家とプロデューサーが相談した結果だったのでしょう。

 偏屈な主人公は、ドラマ当初はどうしようもない変人で、まさに「結婚できない」典型的な男だったのですが、回が進むにつれて周りの女性たちに好かれはじめ、ひとまわり美女たちにモテた挙げ句に本命とくっつくという、ある意味中年独身男性の夢か妄想のようなラストになりました。

 もちろん、これはドラマですから「絵空事」で終わっても良いのですが、せっかくリアルな40才独身男性の生態を描いてきたのに、最後のところで仕事も恋愛も全てうまくいって万々歳という「男性版シンデレラストーリー」でお茶を濁したのは少し残念です。あれでは結婚「できない」のではなく、単に「しない」だけです。

 現実の独身男性には、あんな恵まれた状況はあり得ません。仕事でもプライベートでも子どもっぽい自分のワガママを通しているのに、周囲の人々がなぜか温かい目でフォローし続けてくれるなんてマンガのような都合の良いことはないのです。やはり自分の我を通すのなら、それなりの不利益も覚悟をすべきだと思うのですが、このドラマを見て「それで良いのか」と勘違いする男性が増えたらどうしてくれるんでしょう。

 とは言え、やはりこのドラマはブレイクスルーになったと思います。中年独身男性を主人公にして、その男性の日常生活を描くという地味な内容で視聴率を取ったというのは画期的でしょう。ドラマチックな恋愛や特殊な職業モノばかりがドラマではないということを、ドラマの制作側に改めて考えて欲しいと思います。


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