幹事クリタのコーカイ日誌2006

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7月22日 ● これぞオールスター。

 かつてプロ野球のオールスター戦はまさに「真夏の祭典」でした。少年だった僕たちは「今夜はオールスターだ」とドキドキしながらテレビの前に座ったものです。長島、王、江夏、田淵、野村、張本、鈴木、山田、福本といったスター選手たちの日頃見られない対決を楽しみにしていました。

 ところがいつの間にかオールスター戦はあの煌めきを失ってしまいました。日頃はチームの勝利追求の陰に隠れていた個人と個人の真剣勝負が「お祭り」だからこそ楽しめたのに、勝利を追求しない=手抜きで適当に楽しめばいい「お祭り」に変化してしまったからです。

 特にセパ交流戦が始まった昨年からは、日頃対戦しない選手が戦うというオールスター戦の意義が失われてしまい、このままでは興行価値のない息抜きイベントに終わってしまいそうな危機感がありました。今年は春にWBCで盛り上がったものの、巨人戦の視聴率低迷に象徴されるように、野球の人気低落ぶりがますます印象的なだけに、オールスター戦が盛り上がらないとどうしようもないだろうと思っていました。

 ところが昨晩のオールスター戦は盛り上がりました。特に9回の藤川とカブレラ、小笠原との直球勝負はしびれました。藤川はスピードガンの数字こそ153kmとその後に投げたクルーンの159kmに及びませんが、速球の伸びではクルーンを上回っています。わかっていても当てることすら難しい藤川の直球にカブレラはかすることもできずに空振り三振。小笠原もファウルこそすれど前には打球が飛ばず、結局空振り三振を喫してしまいました。

 しかし「ミスターフルスイング」小笠原の気合いの入った空振りは、藤川の直球の素晴らしさとともに実に鮮烈で、久しぶりに野球の原点に戻ったようなドキドキを感じさせてくれました。空振りであれだけ観客を沸かせられたのは長島以来かも知れません。

 「個人と個人の真剣勝負」こそがオールスター戦の醍醐味であることを思い出させてくれたこの対決は、日本のオールスター史上に残る名勝負でした。こういうところからこそ野球復活の道は拓けるのだと思います。


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