幹事クリタのコーカイ日誌2006

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2月6日 ● ヒンギスが得たもの。

 世界中のテニスファンを驚かせた天才ヒンギスが、翌日ディメンティエバに完敗を喫してしまいました。シャラポワを破った試合のプレーぶりがあまりにも素晴らしくまたセンスに溢れたものだっただけに、当然地味なディメンティエバには簡単に勝って復帰初タイトルを獲得するののだろうと期待していましたが、それをあっさり裏切るあたりもまた天才ゆえかも知れません。

 もっともディメンティエバは地味でコアなテニスファン以外にはあまり知られていないとは言え、決してヒンギスに勝ったことが「番狂わせ」であるような選手ではありません。彼女はグランドスラムタイトルこそないものの、2004年の全仏と全米で準優勝、世界ランクはずっとトップ10をキープしていますし、去年フェド杯でロシアが優勝した時に主軸となって大活躍したテニス大国ロシアのエースです。ヒンギスとも過去2勝2敗の五分。

 その強烈なフォアハンドが炸裂したら、世界のどの女子プレーヤーも止めることはできないでしょう。課題はへなちょこなサービスで、特にセカンドサーブがトッププロとは思えないほど弱いゆえにダブルフォルトも多く、それさえクリアできればすぐに女王争いに名乗りを上げられる選手です。昨日はヒンギス自身も認めていたように、ディメンティエバの日だったので、誰であっても彼女は勝っていたことでしょう。

 そんな状態の選手と当たってしまったらどうしようもないことをヒンギスは良く知っています。そこからド根性で逆転を試みる選手もいることでしょうが、ヒンギスは天才ゆえに勝てない相手に無理して故障でもしたらかなわないと考えたのでしょう。あっさり白旗を上げてしまいました。

 もっともディメンティエバの絶好調テニスに屈したとは言え、今回の大会でヒンギスは大きな収穫を得たことでしょう。それは「自信」です。いくら天才と言えども3年のブランクは過酷なハンデです。それを乗り越えるには勝つことしかありません。20位台の選手には勝てても、女王争いをしているようなトップクラスの選手たちに勝てなければ「元女王」が復帰した意味はありません。

 全豪でクライシュテルスに惜敗したことで「手応え」は掴んでいたいと思います。その手応えが今回シャラポワに勝ったことで「確信」に変わったことでしょう。一歩ずつ確かめるようにヒンギスは復活への道を歩んでいます。そのゴールはウィンブルドンでの優勝でしょうか。


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