幹事クリタのコーカイ日誌2006

[ 前日翌日最新今月 ]


 
1月10日 ● 『西遊記』第1回。

 フジテレビが局をあげての大プロモーションを展開していた『西遊記』が始まりました。これだけ騒がれると、とりあえず1回目だけでもチェックしておくかという人もかなりいたでしょうから、視聴率はそこそこ伸びたかも知れませんが、正直この程度の出来では2回目以降が心配です。

 初回は西遊記の定番である牛魔王の回。いきなりゲスト出演のキムタクから始まるあたりに力の入りようがわかりますが、このキムタク演じる敵役の正体がわからないまま、木村・香取の対決へ。これがまたまるでスマスマのコント。果たしてこれでいいのか?と目を疑いたくなりました。チープです。

 さらに展開は目まぐるしく進み、1時間半にいろいろな事件を盛り込んで進んでいきますが、全体にコントっぽい割にはギャグも捻りもなく、どちらかと言うと少年ジャンプ風「友情・努力・勝利」的熱血ノリ。さらに言えば金八テイストな説教ドラマ臭さえあって、何だかどういう方向に進めたいのか意思の不統一さを感じてしまいました。

 本来の「西遊記」の改竄をどう考えて作っているのかも気になりました。例えばドラマでは最後に孫悟空が「仲間」になったことになっていますが、本来なら最初に三蔵法師の弟子になるのが孫悟空のはず。娘を生け贄にと要求するのは猪八戒で、そこで孫悟空が娘に化けるわけですが、それを三蔵が囮になって牛魔王退治というのもエピソードの切り貼りし過ぎではないかと思います。

 だいたい牛魔王が出てくるのなら当然羅刹女と芭蕉扇が出てこないと話にならないと思うのですが、それもなし。他にも孫悟空の故郷が閉じこめられていた五行山になってしまったり、白馬に乗っているはずの三蔵がとぼとぼ歩いていたり、大事な箇所で意味もなく原典と違い過ぎるところが多く、だからと言ってパロディとして成立しているわけでもないのが残念です。

 これならせめてタイトルを『新・西遊記』とかにして欲しかったですね。それならこういう違いにそれほど目くじらを立てる気にもなれないので。もっと言えば、ドラマがつまらないからこそ、こういうことが気になるのですけど。

 香取慎吾は少々張り切りすぎのうるさ過ぎではありますが、ルックス的には孫悟空ピッタリで、さすがに存在感はあります。深津絵里や内村、伊藤もそれぞれにキャラクターがあって個性的。俳優陣は頑張っていると思うだけに、もう少し演出と脚本に意図をもって作って欲しいと思います。もっとパロディ西遊記として、ふざけたコメディに仕立てる方がいいんじゃないでしょうかね。


とりあえず、読むたびに(1日1回)

を押してください。 日記才人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。