幹事クリタのコーカイ日誌2005

[ 前日翌日最新今月 ]


 
11月12日 ● ギョーカイ系パーティ。

 昨日いかにも「ギョーカイ」っぽい人の話を書いたのに、今日は自分が「ギョーカイ」なパーティに行った話です。ある出版社が名古屋に新しくオフィスをオープンしました。その出版社は広告関連の専門出版社としては大手で、僕はこの出版社主催のコピーライター養成講座の講師を数年間にわたってやっていたことから、新オフィス開設パーティに招待されてしまったというわけです。

 と言っても、僕なんか招待された人間の中では恐らく「下の上」かせいぜい「中の下」クラスなので、ちょっと顔を出して知り合いに挨拶したら帰ろうと思っていました。一人で行くのもイヤだし、かと言ってうちの社の偉い人と一緒に行くと、向こうも偉い人が出てきて面倒くさそうなので、いつも仲が良いY田さんと2人でこそこそと夕方に行ってサンドイッチでも食べて帰ってこようという話になりました。

 ところが僕たちが行った頃には向こうはひとしきり偉い人が来て帰っていってしまった後のようで、結構人が少なくなっていました。かつての講座担当者で今は東京本社に転勤になってしまったN沢くんが僕の顔を見ると嬉しそうに寄ってきて、いろいろ案内をしてくれます。「今日は各誌の編集長も東京から来ているんですよ」と次々と「僕が名古屋時代に公私共にお世話になったクリタさんです」と編集長たちを紹介してくれます。

 実際には公はともかく私ではお世話なんてしていないのですが、彼がそういうものだから編集長たちも丁寧に相手をしてくれます。仕方なくこちらも名古屋の状況とかうちの会社のこととか、海外の広告事情とか、業界関係の話題をいろいろしなければなりません。正直言って、僕は広告業界には関心は薄く、あまり「タコツボ化」したくないと思っているので、こういう話を延々としているのは苦痛なんです。

 それよりもテーブルに並んでいる美味しそうなサンドイッチとか生ハムメロンとかに興味が集中しているのですが、とても手を出せるような雰囲気ではありません。数人の関係者に囲まれていろいろ話をしていると、お腹がなりそうで、それを抑えるのに苦労していました。

 横目で見れば、ちょっと離れたところで知り合いのフリーランスのコピーライターが嬉しそうにビールを飲みながら食べ物を頬張っています。彼らが連れてきたとおぼしき若いコピーライターも楽しそうです。ぐるっと見渡せば、いまこの会場で一番商売になりそうな人間はどうも大手広告代理店勤務の僕とY田さんみたいで、「中の下」のはずが、この瞬間だけ「上の上」扱いです。ああ、編集長どころか出版社の関連会社の人材派遣会社の社長まで挨拶に来てしまいました。ますます逃げられません。

 結局すぐに逃げ帰るはずが、たっぷり1時間立ちっ放しで話をさせられて、その間にビールを一口。何も食べることはできませんでした。帰り際にモロゾフのお菓子セット(恐らく3000円相当)をお土産に渡されてようやく解放。Y田さんと二人「失敗したなぁ、お腹空いたなぁ」と言いながら社へとぼとぼ戻りました。やっぱり僕には「ギョーカイ」は似合わないようです。


とりあえず、読むたびに(1日1回)

を押してください。 日記才人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。