幹事クリタのコーカイ日誌2005

[ 前日翌日最新今月 ]


 
8月28日 ● 東京さ行ぐだ。

 Mっちゃんは今、人生で一番幸せの絶頂にいるそうです。仕事は暇で楽チンで全くストレスはありません。お金は有り余っているわけではないけれど、マンション転がしで得た数千万円の貯えはあるし、親にパラサイトしているから住居費は不要、奥さんも稼いでいるので生活費もほとんどかからず、自分の給料が丸々小遣いというリッチなご身分。可愛い猫と、妙に気の会う「雌豹」という名の愛人に囲まれて、まさに今がこの世の春。「この幸せが永遠に続けばいいのにな〜」と思っているそうです。

 しかし、どんな幸せにも不幸の影は忍び寄ります。ピークを迎えたら後は下るだけ。明けない夜はない代わりに、暮れない昼もないのです。その不幸の発端はこの春のこと。Mっちゃんの上司である支社長から「東京本社へのテコ入れ」にMっちゃんの異動もありうる、という話をほのめかされたそうなんです。その時はあまり本気に考えていなかったMっちゃんはその打診とも思われる話に笑顔で答えてしまったらしいのです。

 そして先日、支社長との面談時に社長が本気でMっちゃんの東京への異動を考えているらしいと伝えられて、Mっちゃんは真っ青になってしまいました。もちろんこの異動、表向きは栄転です。名古屋支社のエースとして東京本社へ行きカツを入れて来い、という話なのですから。期待されての大抜擢!Mっちゃん曰く「あの人たちはオレのことを勘違いしているんだよ」とのこと。僕もそう思います。Mっちゃんはそんな有能な人材ではありません。単に人当たりが良いというか、ごまかしが上手いだけで、しばらく一緒にいればその底の浅さが露呈してしまうような人間です。

 まあ人を見る目のない社長と支社長のせいで損害を蒙るMっちゃんの会社の件は置いといて、問題はMっちゃん個人の人生。東京転勤となれば、いまMっちゃんの幸せを支えている諸々の条件が全て崩れ去ってしまいます。親にパラサイトできなくなるし、奥さんの稼ぎも当てにならなくなるのでMっちゃんの使えるお金は激減することでしょう。可愛い猫と雌豹(ややこしい)は連れて行けませんし、今のようにお気楽なクルマ通勤もできず満員電車で都心まで通わなければなりません。空気が悪く水もまずい東京は「健康おたく」のMっちゃんにとっては地獄。幸せの絶頂から不幸のどん底へと落ちることになりそうです。

 Mっちゃんは何とか東京転勤を阻止しようと、無い知恵を振り絞っています。子どももいないので理由をつけるとしたら親の病気くらい。元気な両親を無理矢理「要介護」状態と言い張ろうと考えているようです。しかし、もし社長の肝入り人事なら支社長も何とか実現させようとするでしょうから、果たしてそんな見え見えの嘘が通じるでしょうか?そもそも春の打診の時にちゃんと「NO!」と言っておけばこんなことにならなかったのにねぇ。

 もしかしたらこの秋にはMっちゃんの「東京風雲篇」が始まるかも知れません。僕もこの事態の推移をかなり注目しています。続報にご期待ください。


とりあえず、読むたびに(1日1回)

を押してください。 日記才人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。