幹事クリタのコーカイ日誌2005

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7月2日 ● 女子テニスの最高到達点。

 ウィンブルドンの女子シングルス準決勝、ディフェンディングチャンピオンのマリア・シャラポワとヴィーナス・ウィリアムズの試合は、新旧の「芝の女王」の激しいぶつかり合いとなりました。2人とも芝を得意としている攻撃的なビッグサーブの持ち主で、身長が高く手足が長く強烈なストローク力も持っています。プレースタイルとしては似ているだけに、完全にがっぷり四つの試合展開となりました。

 もの凄いスピードと角度で入ってくるサービスを、完璧に切り返してリターンエースを狙い、さらにその完璧なリターンに対しさらにアングルをつけてエースを狙う、そんな一本一本のショットが全てエースを取れるようなボールの応酬なのです。こんな激しいラリーはかつて見たことがありませんでした。まさに女子テニスの最高峰の戦いであり、未だかつてない次元の高さでの攻防でした。

 第一セットは両者譲らずタイブレークになりましたが、ここでヴィーナスが先行したまま押し切ったのが明暗を分けました。第二セットはシャラポワが少し力んだのか焦ったのかミスが早くなり、逆にヴィーナスはますます完璧なテニスを続けるようになりました。結局7-6、6-1でヴィーナスの圧勝。女子テニス界最大のスターであるシャラポワは、まだ最強のプレーヤーであることは証明できずに芝を去ることになってしまいました。

 グラフ引退後に女王になった若き天才ヒンギスが故障でその場を降りた時、次はウィリアムズ姉妹の時代になると誰もが思い、またその時代が訪れたときにはかなりの長期政権になるだろうとみな予想していました。

 ところが実際には彼女たちの時代も短く、エナンとクリシュテルスのベルギー勢時代が1年、そして去年からはシャラポワやミスキナらロシア勢の天下が続いています。ここのところの政権交代の早さは異常とも言えるスピードでしたが、ここでヴィーナスが復活してきたことで一気に時計の針は逆戻りするかも知れません。

 ただそれは単に昔の顔が出戻るだけではありません。ヴィーナスの進歩を見てもわかるように、そのテニスはよりパワフルでよりスピーディになっているのです。より危険なプレーヤーとして復活したヴィーナスを見ていると、女子テニスの最高到達点は今後ますます更新されていきそうな予感がぷんぷんします。


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