うーん、って感じですかね。木村拓哉主演ドラマ『エンジン』。冒頭のレースシーンは、まるでキムタク様のプロモーションビデオ。クラッシュして喧嘩して、というあたりを見ている時に、思わずチャンネル変えたくなりました。もう飽き飽きだよ、キムタク様は、って。

　でもそこは大人ですからもう少し我慢して見ていたのですが、場面変わって身寄りのない子どもたちを世話する施設の話になって、これがまたベタベタ。原田芳雄の頑固オヤジも、小雪の頭でっかちも、高島礼子の訳知り顔も、全部記号のようで、これに記号的演技の総大将であるキムタク様が絡むもんだから、ますますうーん、って首を捻ってしまいます。そう言えば松下由樹も出ていたんだけど存在感薄かったなぁ。カラダはでかいのに。

　強いて言えば堺“山南さん”雅人がまだ底を見せていないのと、子役たちが結構達者で可愛いところが救いで、これがなかったらもう絶対途中で寝てました。こちとら風邪引いているんだから、コントのような演技は勘弁です。

　木村主演のドラマって過去に何本も見ていますが、やはり僕の中では『ＨＥＲＯ』と『眠れる森』が秀逸でした。２本とも“キムタク”に寄りかかっていなかった脚本が良かったと思います。「はい、ここでキムタク登場！」みたいなドラマはもう見飽きているんですが、今回もそこから抜け出せていないような感じで、少し脚本・井上由美子に期待していただけに残念です。