幹事クリタのコーカイ日誌2005

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2月24日 ● モテたい中年向け雑誌。

 最近、中年男性をターゲットにしたファッション雑誌が大ブームです。昨日も「UOMO」という新雑誌が集英社から創刊されました。中身はファッションを中心に、時計、バッグ、クルマと旅行、それに加えてスキンケア情報まであります。反面「お得」な情報は一切載っていません。予算度外視のファッションでありクルマであり旅宿なのです。

 この手の雑誌の代表は「LEON」でしょう。30〜50代の高額所得者層(恐らく年収1500万円以上)をターゲットに、ファッション、クルマ、時計を三本柱として展開するというのが当たって、以後似たような男性誌が続々と登場しています。

 「Gentry」「Men’s Ex」「Men's Brand」あたりが同様のファッション路線。さらにもう少し実用情報誌とかライフスタイル誌という体裁で記事の幅を広げて、「BRIO」とか「GQ JAPAN」「Pen」「一個人」「おとなの週末」「自遊人」「男の隠れ家」などなど。テリトリーを広げた場合、ファッション、クルマ、時計に加わる情報はグルメと旅が中心。この5大テーマ、いずれにしても金のかかる話ばかりで、若者にはついていけない世界です。もちろん同じ中年でも、住宅ローンや教育費に喘ぐビンボー人も相手にされていません。

 これらの雑誌は、あくまでも金が余っている中年男性に金を使わせようという意図が見え見えです。なにせ記事と広告の境目がないようなブランド商品紹介が中心ですから。で、金を使わせるための最大の誘引材料が「女」。「若い女と浮気したい」という中年男の欲望をくすぐりながら、「ここにお金をかければモテる!」ということをとことん説得するというのが、これらの雑誌の基本方針であり、だからこその5大テーマなんです。

 若くてキレイな女を連れて、良い服を着て、高級時計をして、カッコイイ車に乗って、美味しい食事をして、リッチな宿に泊まる。そりゃ男の夢です。例えあくまでも「趣味の良い大人」を目指すというオブラートに包まれている雑誌であっても、本音は「LEON」と一緒。どれでも読んでいればわかりますが、若さがなくなったオヤジは金をかけなきゃモテないでしょ、と洗脳されている気がしてきます。「BRIO」の表紙が毎回カッコイイ中年男性と若い美女の組み合わせなのがその象徴です。

 こうした雑誌の編集者から見れば、もちろん僕もターゲットに含まれるのでしょう。実際、そういう安直な「男の夢」なら僕も夢見てしまいます。ただ、余りにもストレートに衒いもなくその夢を見せつけられると、さすがに少し腰がひけます。欲望をそのままカタチにしているという意味で、「LEON」を買う恥ずかしさはAVを借りる恥ずかしさに匹敵するものがあるのです。

 靴は10万円、時計は100万円、車は1000万円。一般人からしたら完全にヒトケタ違うと感じるような商品ばかりが載っているのに、じゃあなぜ売れているのかと言うと、やっぱりモテたいから?いや、ある種の怖いもの見たさかも。ごく一握りの金持ちと、買えない庶民の憧れと冷やかしの視線も込みで、この種の男性ファッション誌は売れ続けているのです。

 もっとも、「BRIO」最新号の名古屋特集に、会社の後輩が偉そうに顔を出していたのには噴き出しましたけど。なんか底が割れたというか、安いぞ「BRIO」。


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