アテネ五輪開幕の華やかなニュースの裏で、ナベツネが突然オーナーを辞任するという訳のわからない事件が起きました。理由は明大の一場投手に対して、巨人のスカウトが200万円の裏金を渡したことに対する引責ということですが、誰が聞いたって「そんなバカな」という話です。

　どこかの週刊誌にでもスクープされたのならともかく、自分たちでいきなりそんな話を出すのも妙ですし、そもそも裏金は「億単位」と言われている公然の秘密なのに、たった200万円くらいのことでオーナーが辞任するなど普通には考えられないことです。

　この話がどういう裏があって、ナベツネにどういう思惑があるのか、現時点では全くわかりません。球団合併＆１リーグ制への動きがここまで社会的に問題になってしまい、事態の収束のためにナベツネが自ら表舞台から姿を消すことにしたのか、もしくは「院政」を敷いた方が動きやすいと考えたのか、どこかからナベツネに対して圧力がかかり仕方なく詰め腹を切らされてしまったのか、健康上もしくは家庭的な事情があるのか、単にイヤになって放り出してしまったのか。

　理由は何にしろ、これまで１リーグ制に向けてオーナー連中を強引に舵取りしてきたナベツネが辞任したことで、今後球界がどちらに進もうとするのか、ますます混迷の度合いを深めそうな気がします。願わくば、これを機会にプロ野球界が「真の改革」への道を歩んで、離れかけているファンの心を再び掴めるようになって欲しいと思います。

　それとともにスケープゴートにされたような一場の立場も心配です。巨人は彼個人の問題で片付けようとしている風に見えますが、裏金の問題はもちろんそうではありません。球界全体の問題としてきちんと処理してもらいたいものです。それにしても、一場は退部処分を受けて、巨人にはお咎めなしですか？そりゃおかしいでしょ。