幹事クリタのコーカイ日誌2004

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8月1日 ● キム次長。

 NHK地上波で放送されている『冬のソナタ』もいよいよクライマックスが近づいています。手近なところでくっついたり離れたりという狭い閉じた人間関係を繰り広げることでドラマを作っていくという手法は、まさに30年前の少女マンガと同じ。中高年の女性が夢中になるのも頷けます。

 少女マンガですから、このドラマの登場人物たちもやたらと恥ずかしいほどに「すかして」います。その上に「うそ臭い」と思わせるほどのカッコつけキャラがオンパレード。正直言って、ちゃんと恋愛をしてきた大人にはとてもリアリティを感じられない登場人物ばかりです。いわば頭の中で作り上げた妄想恋愛劇。しかし、その中で唯一異彩を放っているのが「キム次長」。僕は彼が出てくるとホッと一息つけるのです。

 キム次長は年上でありながらペ・ヨンジュン演じる「ミニョン理事」の部下というちょっと複雑な立場です。しかし、キム次長は、そんな微妙な立場に関わらず常に明るく場を和ませ、ミニョン理事を補佐し、時にはアドバイスもするし叱咤激励もします。

 ドラマの中心となる高校時代の仲間たちが、もういい大人の年齢にも関わらず妙に青臭く、いつまでも「惚れたはれた」に振り回されていてロクに仕事もしていないみたいなのに、それを横目にきちんと彼らを補佐するキム次長。まるで子どもたちのお世話係りをしているようなのに、それを怒りもせずに暖かく見守り続ける余裕のあるキム次長。このドラマの中で僕が唯一共感できる存在が彼だけなのは、彼が唯一大人としてリアリティのある人物だからです。

 主役たちの親世代までもみんな恋愛でいっぱいいっぱいになっているのに比べて、一人だけまだまだ余裕があるキム次長こそ、この異次元ドラマを我々の次元へと結びつけているキーマンなのだと思います。そして、そう思う僕は、やはりキム次長と同じようにもはや恋愛だけでは生きられない年齢になった証拠でもあるのでしょう。


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