幹事クリタのコーカイ日誌2004

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5月8日 ● 小泉のクッションボール処理。

 福田官房長官が国民年金不払い問題で辞任を表明。他人を批判しておいて自分も払っていなかったわけですから、さっさと辞任して当然なんですが、なにせ先に不払いが判明した閣僚たちや菅民主党代表が言い訳をうだうだしていたために、福田の引き際の潔さばかりが目立つ結果になりました。

 これで当然小泉内閣としては「顔」である官房長官が辞めたのだから、他の閣僚の分まで合わせて帳消しというつもりになっており、後は菅を悪者にするばかりです。菅が辞めない限り、7月の参院選では民主党は思いっきり逆風になってしまいます。福田の辞任は小泉にとってはまさに起死回生の一手となりました。

 それにしても小泉はクッションボールの処理が相変わらず見事です。野球でエラーをしたために相手ランナーが飛び出してアウトを取れたりすることがありますが、まさにイラク人質事件と今回の年金不払い問題では、致命的なエラーを逆に利用してアウトを稼いだ感じです。

 イラク人質事件は、ここにきてようやく政府や外務省の世論誘導の巧みさを検証するような記事が掲載されたりしていますが、本来的には小泉政権絶体絶命の事件だったはずです。ところが人質は5人とも無事に解放され、それを政府の手柄のような顔をし、人質やその家族が悪者になったことで、小泉政権は命脈をつなぎました。

 さらに今回閣僚が揃って年金不払いだったことが明らかになるなんて、本来なら内閣総辞職ものだと思うのですが、官房長官の首ひとつで民主党を逆に追い詰めることができたわけですから、綱渡りしながらも下に落ちない運と勘と度胸の良さは認めてもいいでしょう。

 逆に言えば民主党は相手がこれだけ次々とエラーしているのに、それを全く生かせないどころか拙攻を繰り返してかえって自らの首を絞めているのですから頼りないことこの上ありません。今回でも菅は発覚した時点でさっさと辞任して小沢一郎にでも代表を譲ってしまえば良かったのです。そうすれば心おきなく小泉を攻撃できたのに、どうしてこんなに判断が遅くしかもまずいのでしょう。これではとても次々と起きる難局を乗り切る力がないと思われても仕方ありません。

 このままではますます政党の選択肢がなくなってしまい、参院選の投票率は史上最低記録を更新するかも。となると、勝つのはやはり組織票の公明党、そしてそれを頼みの自民党。このまま小泉政権は長期政権間違いなしですね。


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