幹事クリタのコーカイ日誌2004

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3月24日 ● それで凛ちゃんは幸せか?

 連日のドラマネタで興味のない人には申し訳ないですが、昨晩は『僕と彼女と彼女の生きる道』の最終回でした。このドラマ、前作の『僕の生きる道』に比べて僕は共感できなかったので、途中で見るのをやめていたのですが、結局気になって最後の3回は見てしまいました。

 なぜ共感できず、なぜそれでも気になったのか?それは親として子どもを可愛がれずに、一度は見捨てた(見捨てようとした)草なぎ剛とりょうの夫婦の気持ちを理解できなかったからですし、それでも気になったのは、やはり娘の凛ちゃんの幸せとは何かを確認したかったからです。

 当初共感できなかった部分については、ドラマ中盤から急速にこの両親が親子愛に目覚めて、親権を奪い合うようになるので、その変わり身の早さに驚きはしたものの、途中からはまあいいか、という気分でした。

 ただ娘の幸せを考えたら、どうしたってこの夫婦がよりを戻してまた三人一緒に暮らすのが一番なのに、なぜそれをしようとしないのかが納得できませんでした。りょうが別れたのは、草なぎが仕事ばかりしていて家庭を省みなかったことが一番の理由だったはずです。しかし、草なぎが改心して家族愛に目覚め、またりょう自身の夢だったパリへも勉強もしに行ったことですし、離婚しなければならない理由はないはず。そりゃ微妙に食い違った夫婦の心はなかなか簡単に元には戻らないでしょうが、そこは「子はかすがい」です。凛ちゃんのためにまたやり直せばいいいじゃん、と思ってしまいます。

 ところがこの二人はあれだけ娘がそれを願っていても、頑なに元の鞘に戻ることを拒否します。それほど拒む理由が見ているこちらには理解できません。りょうが一度拒んだ時はまだ草なぎが変わったことを知らなかったから良いとして、最後にはもはや和解しているのです。それなのに凛ちゃんは一度は自分を捨てた母親に引き取られ、折角仲良くなった父親と引き離されて無理矢理遠く神戸まで連れて行かれてしまいました。小学校一年生にはこれは相当なストレスだろうと思います。胃に穴が空いてもおかしくありません。

 挙げ句に凛ちゃんの家庭教師である小雪が草なぎにちょっかいを出して、どうやらこの二人は結婚しそうな雰囲気でドラマは終わりました。健気な凛ちゃんは「お父さん、良かったね」と何もかも悟ったような笑顔でしたが、実際の心中は複雑なはずです。この場合、実際に一番我慢しているのはどう考えたって凛ちゃんです。草なぎと小雪が結婚したら、もはや凛ちゃんの夢である親子三人で暮らすことは完全に可能性がなくなります。その上、まだ若い二人ですから子どもも作ることでしょう。その子に草なぎと小雪の愛情が全て注がれるわけですから、遠く離れて住む凛ちゃんにとっては決してそれは幸せなことではありません。

 ではせめて母親だけのりょうよりも、父親と母親代わりになりうる信頼している小雪の間で育てられる方が凛ちゃんも幸せだろうと思いますが、そうなる気配もありませんでした。周りの大人三人(特に母親のりょうですが)、みな凛ちゃんのことを考えているような顔をしながら、結局彼女の幸せよりも自分のエゴを通そうとしているようにしか思えないところが辛いドラマでした。

 「僕と彼女と彼女の生きる道」というタイトルの「彼女と彼女」がりょう、小雪、凛ちゃんのうちのどの二人を指しているのか最後までわかりませんでしたが、僕には凛ちゃんの生きる道に幸多かれと願うばかりでした。


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