幹事クリタのコーカイ日誌2003

[ 前日翌日最新今月 ]


 
6月12日 ● なんでもないセダン。

 故障したクルマの代車としてディーラーが持ってきたのが、レンタカーのトヨタ・プレミオ。ヴィッツやカローラではなく、プレミオというあたりがせめてもの誠意なのでしょうか?本当は最低でもマーク2と言いたいところですが、このプレミオがなかなか乗ってみると良いのです。

 このクルマはコロナというトヨタのドル箱セダンの後継車種。コロナが古臭くなったので、思い切って名前を変えてみたということですが、中身はコロナらしくとても優等生です。サイズはコンパクトで小回りが効いて取り回しが楽な割には、室内は広いしトランクにもしっかり荷物が入ります。エンジンは1800ccですが軽快によく回りますし、燃費も良さそう。売りはワンボックスカー並みのシートアレンジで、セダンなのにフルフラットになったり、後席を折り畳んで荷室を大きくしたりできます。装備も充実しているし、もちろん故障なんてしないでしょうし、まさに非の打ち所がないクルマです。

 これで我が家のクルマの3分の1の価格なんですから、日本車の優秀さをつくづく実感します。ただセダンとしては結構売れているようですが、昔バカ売れしていた頃のコロナに比べれば全然少ないみたいです。こんな良いクルマなのに、と思います。

 なぜ日本のセダンは売れないのか。日本車で売れるのはコンパクトでありSUVでありワンボックス。対して輸入車はセダンばかりが売れます。ベンツにしろBMWにしろアウディにしろセダンが圧倒的に人気です。つまり実用でクルマを考えるのなら日本車、雰囲気でクルマを買うなら輸入車という住み分けになっているのでしょう。

 実際プレミオに乗っていると、これでクルマは十分だよなぁ、と思う反面、なんだか楽しくないなぁ、と感じてしまいます。癖がないので本当に単なる道具として考えれば上出来なのですが、感情移入しにくいのです。このあたりで贅沢なことを考えると輸入車にいくのでしょうし、もっと道具として徹したいのなら燃費が良いコンパクトカーや、使い勝手の良いワンボックスカーになるのです。

 なんでもないけれど、何でもオールマイティーにこなせるところが、こうしたセダンの売りなのですが、その無個性さが許容できない、満足できないところに日本のクルマ文化は来てしまったということでしょう。まあもう一度裏返って、このなんでもない無個性さこそが「わびさび」的な良さだと認識される日も、もしかしたら来るかも知れませんが。


とりあえず、読むたびに(1日1回)

を押してください。 日記才人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。