幹事クリタのコーカイ日誌2003

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5月22日 ● 行列に弱い人。

 僕は渋滞が嫌いです。とにかくじっと待っているのがイヤでイヤで仕方ないので、たとえ大人しく並んで待っている方が本当は早く渋滞を抜けられるのだとしても、つい抜け道を探して細い道を走り回る方を選んでしまいます。同様に行列も大嫌いで、何もしないでただ待っている時間というのは苦痛以外のなにものでもありません。

 当然、ディズニーランドは嫌いだし、行列のできるラーメン屋、というのも近づきません。いくら美味しくたって、並んでまで食べるくらいなら、家に帰ってインスタントラーメンを食べる方を選びます。

 ところが先日、「行列に弱い」という人の話を聞きました。行列があるととりあえず並んでみるし、並ばない時は必ずなんの行列か確かめるのだそうです。行列ができるということは、それだけ多くの人から高い評価を得ている確かなものなのだから安心である、という理論だそうです。だから行列が長ければ長いほど興奮するんだそうです。

 正直言ってビックリしました。そういう発想は自分にはなかったからです。評価というのは自分で決めるものであって、人の言っていることは参考意見程度には聞くけど、頭から信じる気にはなれません。特に行列ができているなんてことは、いくらでも店側で操作できます。サクラを並ばせておけば、簡単に騙せるわけですから、それで信じて1時間もラーメンを食べるために並ぶなんてとても真似できることではありません。

 もちろん、全ての行列ができるラーメン屋がサクラを雇っていると言いたいのではありません。ただ、行列ができるから全てのラーメン屋が美味しいとも限らないと思っているだけです。そして行列に騙されるタイプの人は、例えば「これが最後のチャンス」とか「残りわずか」とかいう言葉にも騙されやすいのだろうな、と思われます。残りわずかと言っても、元々それほど数を作っていなかった失敗作なのかも知れないのに、「あまりに好評で売り切れそうなんだ」と勝手に解釈して慌てて買ってしまうのでしょう。

 バカにしているのではなく、本当に考え方とか性格とかが違う人がいるんだなぁ、と驚いたのです。そしてどうしてあんなに行列に並ぶ人がいるのかも少し理解できました。広告を仕事にしている人間にとっては、こういう人々は大切にしなければなりません。彼らがまず広告を見て動いてくれるから、さらに大きな山が追随して動くのです。広告業界ではカッコ良く「オピニオンリーダー」などと呼んでいます(悪く言えばただの「お調子者」ですけど)。

 そうやってどうすれば人は動くのか、ということを常日頃考えているから、余計にうかうかと行列に並んだりしたくはないのかも知れません。ま、単にせっかちなだけなんでしょうけど。


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