フセイン政権は完全に崩壊、首都を制圧した米英軍は、イラク各地でさらに掃討戦を繰り広げながら、戦後統治・復興をどうするかが焦点になりつつあります。

　しかし、そもそもブッシュがイラクに攻め込んだ当初の目的である「大量破壊兵器」は結局発見されていないみたいですし、次の目的になったフセイン大統領父子の身柄も拘束できず生死も確認できていないわけで、一体国連を無視してまでイラクを「侵略」した大義はどこにあるのか全く定かではありません。

　そんな状況下でブッシュから「日本は戦後復興のために金を出せ」と言われて、またホイホイと税金を投入するのはいかがなものか、というのが多くの国民の偽らざる気持ちでしょう。湾岸戦争の頃はバブル真っ盛りで、日本人も「お大尽」気分で金も出せましたが、この御時世にそうそうブッシュの身勝手に付き合ってはいられません。

　今回のイラク戦争で、日本の外交の基本方針である「国連中心」と「日米同盟」が引き裂かれてしまい、小泉首相は「日米同盟」を選択しました。しかし、仏独露が三国共同声明で国連主導の戦後統治を求めているこの機会に、日本もこれ以上アメリカ追従ではなく、国連中心の外交政策へもう一度シフトしてバランスを取った方が良いのではないかと思います。

　アメリカに大義はなくとも、連日の松井報道を見ている限り、どうせ日本人はアメリカ大好きですから。