幹事クリタのコーカイ日誌2003

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3月10日 ● イラク攻撃と武装難民。

 いよいよアメリカのイラク攻撃の可能性が高まって緊張感が増しているきょうこの頃。日本も米英を支持することで、この戦争に巻き込まれるのかと不安が増します。格好良くフランスやドイツ、ロシアのように反対を表明したいところですが、日本の防衛と外交は「アメリカ支持」以外の選択肢が現実的にはないのですから、これも仕方ないのでしょう。イヤなら自立せよ、ということです。

 ところで仏・独・露などがイラク攻撃に反対するのは、ついつい「戦争反対」という人道的平和主義の発露のように「平和ボケ」日本ではとられがちですが、もちろん彼らがそんな甘チャンなわけはなく、政治的・経済的な理由があってのことに決まっています。

 戦争が起これば様々な事柄が付随して起きてきます。その中のひとつに「武装難民」という問題があります。世界中どこでも紛争地域では難民が発生します。その中でも厄介なのが軍隊くずれなどの「武装難民」です。

 それまでの指揮系統と補給路を失った彼らは簡単に略奪部隊へと変わります。仮にアメリカがイラクを攻撃し、フセインを倒したとしても、イラク軍がそのままアメリカの指揮下に整然とおかれるのなら問題はありません。しかし、現実には彼らは武装したまま国境を越えてロシアやトルコへと逃げ出します。トルコからさらにヨーロッパへと武装難民が押し寄せてきたら、ドイツもフランスも手を焼くことは間違いありません。

 貧窮して海からやってくる中国の難民さえ受け入れられない日本という国からしてみたら、武装して略奪を繰り広げる武装難民の襲来なんて想像もつかない事態です。仏・独・露などのヨーロッパ各国がイラク攻撃に反対する理由のひとつは、こうした問題もあるからです。

 逆に考えれば地続きではない島国のイギリスや日本、そして大陸として独立しているアメリカなどが難民のことも考えないでイラク攻撃を支持できるのも頷けます。無論、この武装難民の問題だけで支持や不支持が決まっているわけではないのは当然ですが、こうした事態も想定しての現実的な議論の前には、単純に「戦争はいけない」「子どもたちの命を守れ」というスローガンだけの主張をしても相手にされないのも無理はないと思わざるを得ません。


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