我々のテニスサークルは「晴れサークル」だと自負しています。どんなに天気が悪くても、テニスをする時間だけは雨が上がってしまうという不思議なことがしばしば起きるからです。

　実際、去年11月3日に雨に降られて練習を中止したのを最後に、もう11ヶ月も雨で中止したことがありません。回数にすると実に43回連続です。ハリウッドでテニスしている訳ではないのでですから、この晴天確率は相当なものだと思います。

　ただ冷静に考えると、雨で中止にならないにはそれなりの理由もあります。雨が降っていてもコートに集まるテニスバカが何人もいるからです。つまり雨でも中止にしないのです。

　昨日もそうでした。前夜から雨が降り続いていて、午前中もしっかり雨。時々小やみになることはあっても、基本的には雨模様の天気です。さすがに僕も「今日はダメかな」と思って空を眺めていたのですが、天気予報を見ると午後からは「曇り一時雨」。雨ではなく曇りなのですから、それを信じればテニスできるはずです。

　メンバーには「自己責任で集まるように（つまりテニスできなくても文句を言うな）」と連絡をして、とりあえずコートに行ってみます。我が家からクルマで45分。途中ずっと雨が降っています。我ながら「バカだなぁ」と思いながらコートに到着。相変わらず雨。しかし、それにも関わらず三々五々集まってくるメンバー、なんと5人。雨の中、一縷の望みをかけて集まった本気のテニスバカばかりです。

　クラブハウスで空を眺めること20分。願いが通じたのか、ついに雨が上がってきました。こうなったらできるところまでやろう、と早速5人でテニスを始めます。ボールは水を含んですぐに重くなってしまいますが、そんなことはお構いなしに嬉々としてボールを打ちまくる5人。妙な光景です。

　神様もこんなバカに同情してくれたのでしょうか、そのまま雨が上がってきました。天気予報通りの「曇り」になったのです。雨が上がったのを確認してさらにメンバーが集まってきて、結局最終的には11人。当初参加するはずだったメンバーの3分の2がやってきたことになりました。

　普通なら間違いなく午前中に「中止」と連絡をして、寝てるか遊びに行っているところです。それをテニスをしたいばかりに無理矢理集まってくるメンバーがいるからこそ、中止にもならないで練習できてしまいます。43回連続という記録の裏には、そんな「無理矢理テニス」が何回もありました。

　こんなメンバーいることは、お互いにとても幸せなことだと僕は思っています。いくらテニス好きでも、同じような仲間がいなくては話になりませんからね。もっとも、雨でもテニスに出かけていく父親を持つ家族にとってはいい迷惑でしょうが。